日本経団連タイムス No.2853 (2007年3月29日)

環境自主行動計画2006年度フォローアップ調査結果・「循環型社会形成編」に改編し公表

−05年度産業廃棄物最終処分量は896万トン/2010年度目標を4年連続前倒しで達成


日本経団連では、1997年から、CO2削減の温暖化対策とともに、廃棄物対策についても「環境自主行動計画」を策定し、毎年度フォローアップ調査を行うことによって、産業界における自主的な取り組みを推進してきた。さらに99年12月には、「2010年度における産業界全体の産業廃棄物最終処分量について1990年度実績の75%を削減する」という全体目標を掲げ、以後、産業廃棄物最終処分量削減に、産業界を挙げて取り組んでいる。この目標は、政府の「循環型社会形成推進基本計画」の目標にも採用され、日本経団連の環境自主行動計画の進捗状況が「循環型社会白書」に毎年度掲載されている。
20日に公表した環境自主行動計画(循環型社会形成編)の06年度フォローアップ調査結果によると、参加40業種のうち、主要31業種の05年度の産業廃棄物最終処分量実績は896万トンで、基準年としている90年度実績の84.7%を削減、「1990年度実績の75%を削減する」という産業界全体の2010年度の目標値を、4年連続して前倒しで達成したことが明らかになった。

2010年度産業廃棄物最終処分量「90年度実績の86%減」に改定

日本経団連では、近年における産業界の取り組みが、単なる廃棄物対策にとどまらず、いわゆる3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進など非常に多岐にわたっていることから、06年度フォローアップ調査に当たり、「環境と経済が両立しうる循環型社会」の実現に向け、より幅広い自主的な取り組みを推進する観点から、現行の「環境自主行動計画(廃棄物対策編)」を改編し、「循環型社会形成編」として公表した。

同調査結果の総括によると、「環境と経済が両立しうる循環型社会」を、(1)効率的・効果的な資源循環を目指す社会(2)温暖化問題も含め、総合的な観点から真に環境にやさしい循環型社会(3)政府・自治体・事業者・市民による、全員参加型の循環型社会――の3つに整理し、その実現に向けて、産業界として3Rの推進や廃棄物の適正処理の徹底に、より一層努力することを改めて表明した。
また、03年度調査結果公表の際、「産業界全体の2010年度目標を3年連続前倒しでクリアした場合には目標を見直す」ことを表明していたことから、今般、産業界全体の2010年度目標を改定した。具体的には、「2010年度における産業廃棄物の最終処分量について1990年度実績の86%減を図る」とした。これは、産業廃棄物最終処分量は既に90年度比で8割強の削減を実現し、これ以上の削減が難しい業種も多いことや、今後景気回復に伴って産業廃棄物排出量の増加が見込まれることを踏まえたものである。

日本経団連では、こうした事情を広く国民に理解を求めるとともに、経済情勢等の変化にかかわらず、産業界全体の最終処分量が増加に転じないように努める。
さらに新計画では、業種ごとに、その特性・実情等に応じた独自目標を新たに設定し、循環型社会形成に向けた幅広い取り組みを推進する。

【産業第三本部環境担当】
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