日本経団連タイムス No.2854 (2007年4月5日)

ハワード・オーストラリア首相歓迎昼食会を開催

−日本経団連が後援/御手洗会長らが出席


日豪経済委員会(今井敬会長)主催、日本経団連、日本商工会議所(山口信夫会頭)、日本貿易会(佐々木幹夫会長)後援のジョン・ハワード・オーストラリア首相歓迎昼食会が3月13日、都内で開催され、日本経団連からは御手洗冨士夫会長らが出席した。

主催者を代表してあいさつした今井日豪経済委員会会長(日本経団連名誉会長)は、日豪両国は相互補完的な貿易関係によって緊密な経済関係を構築してきたことに加え、政治的にも結び付きを強めていると指摘。今回のハワード首相の訪日目的の1つとして日豪の安全保障に関する安倍晋太郎首相との会談も予定されており、一層の日豪関係の進展への期待を示した。また経済界にとっては、昨年12月に日豪EPA(経済連携協定)交渉の開始に合意したことが日豪関係強化のための大きな一歩であるとの考えを示した。

これに対してハワード首相は、本年、日豪修好通商協定締結50周年を迎えることに関連して、当時の豪州マキューエン貿易大臣の言葉、「過去を振り返るのではなく、未来を見つめるべきである」を引用しつつ、こうした認識からスタートした修好通商協定の締結がその後の日豪間のパートナーシップの基礎となり、その結果、日本はアジアで最も信頼できるパートナーとなったと述べた。
訪日の目的については、これまでの協力関係を基礎にさらに日豪間の経済的、政治的協力関係を強化することであるとした上で、民主主義の推進における協力についても言及し、日本が戦後民主主義国家として歩み、豪州、米国との3カ国間で安全保障対話を行っていることを評価し、日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りに対する支持を表明した。
また、豪州経済の状況については、開放的な経済政策により過去15年間プラス成長を続けており、特に非農業部門の好調を受けて、100年ぶりの干ばつにもかかわらず第3四半期(9―12月)の成長率は1.0%、年率換算で2.8%になるとの見通しを示し、失業率も32年ぶりの低水準にあると述べた。その上で経済成長をもたらした背景として、(1)緊縮予算による財政の健全化(2)労使関係の改善による生産性の向上(3)税制改革――の3つの要素を挙げた。
一方、今後の課題としては、グローバル経済のメリットを享受しつつエネルギーの安定確保を図ると同時に、地球温暖化に対応する必要があると指摘し、エネルギーの安定供給に関しては、日豪間のパートナーシップを強化する必要があるとの考えを示した。
また地球温暖化問題については、主要な温室効果ガス排出国が参加する国際的枠組みの必要性を訴えるとともに、原子力の利用促進も含め、あらゆる温室効果ガス削減策を検討すべきであると強調した。

最後にあいさつした御手洗会長は、わが国にとって重要なエネルギー資源供給国であると同時に、戦略的パートナーとしてのオーストラリアの重要性にかんがみ、日本経団連としても日豪EPAの早期実現を要望しており、交渉開始が合意されたことを歓迎すると述べた。その上で、交渉の過程では慎重な検討を要する難しい問題もあるが、話し合いによって、相互理解に基づく建設的な解決が図られることに期待を示した。その上で、アジア太平洋地域における経済、政治両面でのパートナーとして既に成熟した両国の関係が、日豪EPAを通じてさらに強固な連携関係へと発展することへの期待を表明した。

【国際第一本部北米・オセアニア担当】
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