日本経団連タイムス No.2855 (2007年4月12日)

「日本経団連フォーラム21」

−第17期生の修了式を開催/アドバイザーが助言と激励


次代の産業界を担う創造的なリーダー養成をめざす「日本経団連フォーラム21」第17期生・32名の修了式が3月13日、都内で行われた。

修了式のあいさつで茂木賢三郎アドバイザー(キッコーマン副会長)は、約1年間の研修を振り返り、「単に知識を蓄えるというだけでなく、参加者同士がお互いに刺激し合い、相互作用をするというプロセスの中で、この講座が進められた。大きな成果を上げ得たのではないか」と総括。修了生に対し、「今後、会社のためはもちろん、日本の経済社会の一層の健全な発展のために大いに貢献してもらえるものと期待している。修了生同士でこれからも、熱心な異業種交流の場を持ち続けてほしい」と述べた。

続いて山内昌之アドバイザー(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授)が、日本経団連フォーラム21の特徴は、異業種交流が行えるということに加えて、経営戦略やビジネスマネジメントといった観点だけではなく、歴史や哲学、さらには世界観、文明論に至る幅広いスコープの中で問題を見つめ、考えていくことが学べる点にあるとの考えを示すとともに、修了生に対し、(1)学者がするように非常に多くの本を読む必要はないが、歴史に関する書物をできるだけ読んでほしい(2)哲学書よりも歴史書を読むことで、問題に対して抽象的ではなく、現実的なアプローチを行うことができ、現実の中の試練や教訓が学べ、さまざまな知恵が浮かんでくる(3)そうした観点から経営戦略やマネジメントにかかわっていくことで、非常に大事な問題意識を持つことができる(4)経営においても、正しい歴史的なものの見方、歴史観というものが基礎になる――とアドバイスした。

また寺島実郎アドバイザー(三井物産常務執行役員・戦略研究所所長)は、日本経団連フォーラム21に期待されるのは、経営の根幹を支える「時代認識」を学ぶことと、人材ネットワークを構築することの2点であると指摘。17期生が学んだ2006年度は、世界の潮流が「脱9・11」に向けて大きく変わり始めた年度であり、マネーゲームに傾斜した資本主義は誤りであることを十分に認識させられた年度でもあったと振り返った。寺島アドバイザーはさらに、修了生は後進を育てていく世代であり、どういうDNAを残していくかを考えてほしいと語った。

最後に竹内弘高アドバイザー(一橋大学大学院国際企業戦略研究科科長)が修了生に対し、(1)個人レベルのグローバル化に対応する(2)「脱PC」の時代が始まっており、これに対応する(3)新しいメディアに対応する――の3つを今後の留意点として挙げた。

今後の活躍への期待を込めて、1人ひとり修了証書を手渡されたメンバーは約1年間の講座を振り返り、「メンバーに刺激を受け、自分を奮起させるよいきっかけとなった」「異業種交流によって多面的にものを見、考えていくことの重要性を知った」「リーダーシップについて思索し、学べたことに感謝する」「歴史観、時代認識の重要性を学んだ」などの感想を述べた。

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日本経団連フォーラム21は、次代を担うリーダー育成を目的に、1990年に設置したもので、日本経団連会長がチーフ・アドバイザーを務める。企業の役員や部長クラのメンバーが定期的に集まり、企業経営を中心に社会、国際、時事問題など多岐にわたる分野を、専門家や識者の講話、メンバー同士の討議などを通じて学ぶ。その他、海外視察、洋上合宿なども行い、相互啓発を図るとともに、リーダーとしての識見を高める。
07年度第18期は、5月に開講する。

【事業サービス本部研修担当】
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