日本経団連タイムス No.2856 (2007年4月19日)

会員総務部長研修会開く

−「災害に企業はいかに備えるか」テーマに


日本経団連は、6、7日の両日、静岡県小山町の経団連ゲストハウスにおいて、会員総務部長研修会を開催、会員企業・団体から44名が参加した。同研修会は、会員企業・団体の総務部長を対象に、泊まり込みでの勉強と異業種間交流を目的として、1987年2月に第1回を開催以来、経団連ゲストハウスにおいて、毎年、春、秋と定期的に開催してきており、今回で73回目を数える。
同研修会では、毎回、時宜に適ったテーマを設定し、専門家を講師に招いての講演、講師との質疑により、各企業・団体の実務対応等の参考に供するとともに、交流会等の催しを通じて、さまざまな業種からの参加者間のネットワークづくりを図っている。今回は、「災害に企業はいかに備えるか」をテーマに、2名の講師から説明を聴いた。

丸谷浩明・京都大学経済研究所先端政策分析研究センター教授からは、「BCP(事業継続計画)の意義と導入のポイント」をテーマに、BCP策定への具体的な段取り等について聴いた。丸谷教授は、事業継続には、(1)被害を予防・防止する(2)重要業務を中断させず、中断した場合は早期に復旧させる――の2側面があり、サプライチェーンマネジメント、アウトソーシング等、企業間の相互連携の進行、企業のコンプライアンス、CSRへの社会的要求の高まり等を背景に、企業の事業継続へのニーズが高まってきているとした上で、(1)指揮命令系統の明確化(2)本社等重要拠点の機能の確保(3)対外的な情報発信および情報共有(4)情報システムのバックアップ(5)製品・サービスの供給――を事業継続における重要項目として指摘した。

また、成田庄二・セブン&アイ・ホールディングス総務部グループ渉外シニアオフィサーからは、「もうひとつのライフラインの構築に向けて」と題し、企業の災害対策と事業継続の実例として、同社の取り組みが紹介された。大規模災害対策として構築されている本社における対策本部の起動と行動、店舗での対応、さらには新潟県中越地震時の対応事例等に関し、説明を受けた。
また、講演後、参加者による交流会が行われ、夜遅くまで活発な意見交換が続けられた。

【総務本部総務担当】
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