日本経団連タイムス No.2866 (2007年7月5日)

経済広報センターが「情報源に関する意識・実態調査報告書」

−一般的な社会の動き知る情報源 「新聞」93%、「テレビ」90%


日本経団連の関連組織である経済広報センター(御手洗冨士夫会長)は6月26日、「情報源に関する意識・実態調査報告書」を発表した。同報告書は、(1)わが国のメディアをめぐる情勢は、消費者ニーズの多様化、近年のインターネットの急激な普及、携帯電話の利用拡大、地上デジタル放送の全国展開、若者の活字離れなどにより大きく変化している(2)一方で国民の情報の収集方法、情報源(メディア)に対する認識も変化し、活字や電波、インターネットと、媒体の使い分けも進んでいるものと思われる――という状況の中で、各情報源(メディア)がどのように意識され、活用されているか、生活者・消費者側から見たメディアの位置付けを考え、「情報源への印象」「情報源利用時間の変化」「企業情報を収集するときの情報源」などについて調査を実施し、その結果を取りまとめたもの。全国の社会公聴会員(5084名)を対象に3月に実施、3913名から回答を得た(有効回答率77.0%)。

同調査によって、(1)一般的な社会の動きを知ろうとするときに利用する情報源は「新聞」が93%、「テレビ」が90%とそれぞれ9割に達するとともに、インターネットも「第3の情報源」として確実に台頭してきている(2)企業情報を収集するとき、最も信頼している情報源は「新聞」(57%)である(3)基本的な企業情報については「インターネット」が、また、事故不祥事の危機への対応に関しては「新聞」が最も利用されている――ことなどがわかった。

調査結果の概要は次のとおり。

1.情報源の利用

一般的な社会の動きを知ろうとするときに利用する情報源は「新聞」(93%)、「テレビ」(90%)がいずれも9割に達している。この2つが情報を得るための「2本柱」といえる。また、インターネットを1日1回以上利用する人に関しては、「インターネット」(77%)が7割を超えており、「第3の情報源」として確実に台頭してきていることがわかる。

2.情報源の利用時間

情報源ごとの利用時間をみると「新聞」では「15分以上60分未満」利用している人が66%と多い(「15分以上30分未満」34%、「30分以上60分未満」32%の合計)。「テレビ」は「30分以上60分未満」(26%)と「1時間以上2時間未満」(32%)を合わせると58%と5割を超えるが、「2時間以上」も24%あり、長時間視聴する人が多くなっている。
「ラジオ」は、「利用しない」(54%)が5割を超え、利用時間にばらつきがある。「雑誌」では、「30分未満」が53%と5割を超えており、通勤時間などの交通機関内で利用されているものと思われる。「インターネット」は、生活形態で利用時間にばらつきがあるように思われる。また、「クチコミ」は、「30分未満」が57%との結果が出た。

3.情報源の利用時間の変化

情報源の利用時間の変化を情報源別にみると、「新聞」「テレビ」「ラジオ」「クチコミ」の利用時間は「変わらない」が60%を超えている。
「インターネット」の利用時間は「増えた(大幅/多少)」が73%。1日1回以上インターネットを利用しない人でもインターネットの利用時間は「増えた(大幅/多少)」との回答が49%となった。

4.情報源の印象

各情報源の印象については、(1)「新聞」は最も情報が正確で、信頼でき、専門的で、記憶に残る(2)「テレビ」は最も情報が早く、わかりやすい(3)「インターネット」は「テレビ」同様、情報が早いという印象に加え、「新聞」の次に専門的な情報源として利用されている(4)「雑誌」は情報が専門的という一定の評価を受けている――との結果が出た。

5.テーマごとの情報を収集するときの情報源の活用

「政治社会の動き」「経済の動き」「教養・文化」「地域、地元情報」などの情報収集には「新聞」が最も利用される一方、「事件・事故」「スポーツ・芸能」では「テレビ」が最も利用されている。「趣味」の情報収集では、「雑誌」の利用度が「インターネット」よりも高い。
「テレビ」はどのテーマの情報収集でも上位にランクされ、幅広く利用されている。「インターネット」もインターネットを利用している人では、どのテーマの情報収集でも5割程度は利用されており、特に「趣味」では7割以上利用されている。

6.企業情報を収集するときの情報源の信頼性

企業情報を収集するとき信頼している情報源は、「新聞」(57%)、「インターネット」(26%)の順で「二極化」している。インターネットを利用する人は、「新聞」(53%)、「インターネット」(33%)、「テレビ」(5%)の順、インターネットを利用しない人は、「新聞」(69%)、「テレビ」(12%)、「インターネット」(7%)の順となり、「新聞」「テレビ」の信頼度合いに大きな差がみられる。

7.企業情報を収集するときの情報源の活用

企業情報を収集するときの情報源としては、「企業の事業内容など」「株主等への企業情報など」「商品・サービスの内容(価格含む)」「商品・サービスの評価やイメージ」「企業が発行する報告書」などの情報を収集するときは「インターネット」が最も利用されている。一方で、「事故不祥事の危機への対応」では「新聞」が最も利用されている。また、「雑誌」は「商品・サービスの内容(価格含む)」「商品・サービスの評価やイメージ」など、専門的分野で比較的利用されている。

8.企業情報をインターネットで収集するときの利用サイト

「企業の事業内容など」「株主等への企業情報など」「企業が発行する報告書」などをインターネットで情報収集するときに利用するサイトは「該当企業のサイト」が最も多く7割を超えている。
一方、「商品・サービスの内容(価格含む)」を情報収集するときは「該当企業のサイト」(55%)、と「該当企業以外のサイト」(44%)で活用度合いがほぼ2分されている。
「事故不祥事の危機への対応」では「メディア・ニュースサイトなど」が56%を占めるとともに、「該当企業のサイト」も36%に達している。

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同調査の詳細に関しては、経済広報センター国内広報部(電話03―3201―1412)まで。

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