日本経団連タイムス No.2869 (2007年7月26日)

経営労働政策委員会が今年度第1回会合を開催

−08年版委員会報告骨子案で意見交換


日本経団連は18日、毎年の春季労使交渉・労使協議と雇用、労働市場など「人」にかかわる問題についての経営側の基本スタンスを取りまとめる「経営労働政策委員会」(経労委、議長=御手洗冨士夫会長、委員長=草刈隆郎副会長)の今年度第1回会合を東京・大手町の経団連会館で開催した。

冒頭、同委員会の議長である御手洗会長があいさつ。「世界ではグローバル化の進展による国際競争の激化、国内では少子・高齢化の進行による人口減少社会の到来という、最大の課題にわれわれは直面している」との現状認識を示した上で、「こうした課題を乗り切るには、生産性向上やワーク・ライフ・バランスの実践などを通じて、成長の持続可能性を確保することが不可欠」と指摘。その上で、「雇用、労働の問題はわが国にとって将来のために取り組まなければならない最重要課題である。従って、経営労働政策委員会の担う役割は非常に大きい」と同委員会の重要性を強調した。

また、御手洗会長は今年度以降の委員会の基本方針についても言及し、今年1月に発表した新ビジョン『希望の国、日本』をベースに主張を展開すること、春季労使交渉・労使協議に向けた指針という経労委報告の原点に立ち返り、企業経営と労使関係・労働諸施策に直接かかわる課題・要望にできる限り内容を絞り込むことなどの意向を明らかにした。

続いて、同委員会の委員長に就任した草刈副会長があいさつし、「近年、経済・社会環境の変化に対応した新たな法制度や規制改革に関する論議、労働者の就業意識やライフスタイルの多様化に対応した働き方の見直しなど、複雑かつ難しい課題が山積している」と指摘した上で、「御手洗議長と密接に連携をとりながら、委員会を進めていきたい」と意気込みを語った。

その後の審議では、2008年版委員会報告の骨子案について意見交換した。各委員会からは、日本型雇用システムに対する考え方や労働市場のあり方、人事賃金制度の今後の方向性、社会に対する企業が果たすべき役割といった、さまざまな課題について活発な意見が出された。

今後は10月、11月に同委員会を開催し集中的に議論を重ね、12月中旬に08年版経労委報告を取りまとめ発表することとしている。

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同委員会は、毎年の春の労使交渉・労使協議に関する問題のみならず、雇用や労働市場など「人」にかかわる問題に対する経営者側の基本的なスタンス、考え方の指針を取りまとめることを目的としている。
委員構成としては、御手洗会長が議長、草刈副会長が委員長を務めるほか、副会長や評議員会議長・副議長、労働問題関連の委員会の委員長らが委員を務める。

【労政第一本部企画担当】
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