日本経団連タイムス No.2877 (2007年9月27日)

槍田・日本ブラジル経済委員長、スプリシ・ブラジル観光相と懇談

−「日伯交流年」などで意見交換


槍田松瑩日本経団連日本ブラジル経済委員長は13日、東京・大手町の経団連会館で、ブラジル連邦共和国のマルタ・スプリシ観光大臣と懇談した。はじめに槍田委員長は、今年3月、サンパウロで開催された第12回日本ブラジル経済合同委員会における議論を紹介し、バイオエネルギー開発やインフラ整備、アグリビジネスなど、ブラジルへの新たな投資機会をめぐり日本企業の関心が高まっていると述べた。また、来年、日本人のブラジル移住100周年を記念して行われる「日伯交流年」では実行委員会が組織され、現在さまざまな行事が計画されており、日本側実行委員長として交流年の成功に向け尽力したいと述べた。

続いて槍田委員長は交流年の日本側実行委員会の活動について説明、委員会には230余りの団体が参画しており、既に100件の事業が交流年記念事業として認定され、今後も多くのイベントの申請が見込まれていると述べた。また、駐日ブラジル大使館が独自に計画し支援していくプロジェクトも順調に準備が進められているとした。さらに槍田委員長は、「多くのイベントを通じてブラジルのいろいろな面を知ってほしい。サッカー、カーニバル、シェラスコ、カイピリーニャなどは日本でも有名だが、こうしたものをさらに増やして日本とブラジルが共有できる部分を広げていきたい」と述べるとともに、ブラジル側でも連邦政府や州政府、日系団体が中心となって「日伯交流年」の準備が進められていることに触れ、双方の取り組みが結実することに期待感を示した。

これに対しスプリシ観光大臣は、槍田委員長のブラジルへの貢献や在日ブラジル人支援に対して謝意を表明。日伯交流年は大きな節目の年に開催される重要な行事であり、ブラジルにおいてもさまざまなイベントを予定していると述べた。

また、ルーラ大統領が先頭に立って普及に努めているブラジル産のバイオエネルギーに対して日本でも関心が高まっていることに期待を寄せた。観光分野においては、東京にメルコスール観光局日本事務所が設置されてから、ブラジルをはじめメルコスール諸国を訪問する日本人観光客が急増し、年間観光客数10万人の目標を1年早く達成することができたことを紹介した。さらにインフラや観光面で日本からの投資が増加することを期待すると述べた。これに対して槍田委員長は「日本も『 Visit Japan 』政策によって観光振興に取り組んでおり、双方は同じ目標を持っている」と応じた。

スプリシ大臣に随行したカルヴァリオ・サンパウロ市観光課長は同市での交流年行事の準備状況を紹介した。同課長は、「100周年行事を担当することができ、光栄だ。日本の最も良いものを紹介し、日系人だけでなく日系人以外のブラジル人にも広く日本を知ってもらえるようなイベントにしたい」と抱負を語った。

懇談の最後にスプリシ大臣と槍田委員長は、日伯交流年を成功させるため日本・ブラジル双方で協力していくことを確認した。

【国際第二本部中南米・中東・アフリカ担当】
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