日本経団連タイムス No.2881 (2007年10月25日)

公明党幹部との懇談会を開催

−税・財政、道州制、地球温暖化対策など、重要政策課題で意見交換


日本経団連は9日、都内のホテルにおいて公明党との懇談会を開催した。会合には、公明党側から、太田昭宏代表、浜四津敏子代表代行ら12名、日本経団連側からは、御手洗冨士夫会長、西室泰三評議員会議長はじめ17名が出席し、当面の重要政策課題について意見交換を行った。

御手洗会長は、開会に当たって、「国会での議論を見ていると『ねじれ国会』という極めて難しい状況にあることを痛感する。日本には課題が山積している。困難な政治状況だが、連立与党が一致協力し、国民本位、国益本位の観点から野党と建設的に協議し、さまざまな課題に全力で取り組んでほしい」と述べた。

これに対して、公明党の太田代表は、「自公が連立を組んだ8年間の取り組みの結果、ようやく2011年度のプライマリー・バランスの黒字化が見えてきた。これをバラマキに変えてはならない。わが国の社会構造が大きく変化する中で、少子化対策や地球温暖化対策などさまざまな課題への対応が正念場を迎えている。政治の停滞は一刻も許されない」と決意を述べた。また、浜四津代表代行からは「社会全体の繁栄に向け、経済界もリーダーシップを発揮してほしい」と経済界への期待が示された。

続いて行われた意見交換では、日本経団連側から、増大する社会保障財源に対応する税制面での手当やイノベーションを生み出すための研究開発促進税制の拡充、地域活性化に向けた道州制導入の検討、地球温暖化防止に向けた全主要排出国の参加する枠組みづくりや京都議定書の目標達成に向けた企業の自主的な取り組みなどについて発言があった。

これに対して、公明党側からは、税制については、財政と一体で幅広く議論中であり、(1)格差是正のための所得再配分(2)成長力強化のための研究開発税制や法人税実効税率(3)社会保障の安定財源の確保(4)地域格差是正と地方財政力の強化――の四つの視点から、検討していることが紹介された。また、道州制については、単なるバラマキを避け、地方の担税力を高め自立を促していくためにも導入が必要であり、日本経団連とも協力して推進していきたいとの考えが示された。さらに、地球温暖化対策については、国としての取り組みにはさまざまな考え方があるが、政治のリーダーシップでうまく方向性を調整し、京都議定書による温暖化ガス削減目標を達成したいとの決意が述べられた。

【社会第二本部政治担当】
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