日本経団連タイムス No.2883 (2007年11月15日)

日本ロシア経済委員会ロシア極東ミッション派遣

−地方政府・経済界関係者と意見交換/経済関係強化の方途探る


日本経団連の日本ロシア経済委員会では、10月22日から27日にかけて、安西邦夫委員長を団長とする総勢約40名のミッションを、ロシア極東のユジノサハリンスクならびにウラジオストクに派遣した。

順調な経済関係の拡大に注目が集まる日ロ関係の中でも、日本に近いロシア極東との交流拡大への期待は近年着実に高まっている。ロシア連邦政府も、今年8月に「極東・ザバイカル発展連邦目的プログラム」により、同地域の経済社会発展に本格的に取り組む姿勢をみせている。

こうした状況にかんがみ、ミッション一行は、ウラジオストクで開催された「第1回地域間交流分科会」に出席するとともに、地方政府・経済界関係者との意見交換を行い、同地域とのさらなる経済関係強化の方途を探った。

■ロシア初のLNG本格供給開始を控えるサハリン州

サハリン州・ユジノサハリンスクでは、懇談したホロシャビン知事から、隣国である日本との経済関係の強化を重視したいとの意向が示された。知事は、原油・天然ガス増産の見通しを指摘した上で、石油・天然ガスの採掘以外にも、今後は豊富な天然資源の加工分野を中心に、日本と一層の関係促進を図っていきたいとの強い期待を示した。

また、多くの日本企業が参画する資源開発計画「サハリン2」の事業会社サハリンエナジー社では、クレイグCEOから、来年に予定されている原油・天然ガスの本格的な生産・出荷に向けた準備状況について説明を聴いた。同氏は、出資者であるロシア天然ガス大手ガスプロム社との協力がプロジェクトの円滑な遂行に貢献していると評価し、来年初頭にはすべてのパイプライン敷設が完了するとの見通しを示した。

なお、この懇談に先立ち、ミッション一行は州南部の原油・LNG出荷基地の建設現場を訪れ、LNG生産・貯蔵施設などを視察した。

■大規模なインフラ整備を計画するウラジオストク

ウラジオストクでは、官民合同の「第1回地域間交流分科会」に日本経済界を代表して出席し、ロシアのビジネス環境の改善を要望するとともに、ロシア政府による「極東・ザバイカル発展連邦目的プログラム」の承認を歓迎すると表明した。ロシア側からは、未加工の資源輸出のみに限らず、多様な分野でのビジネスを発展させ、新たな両国経済関係を構築する必要性が指摘された。その上で、極東各地で計画されている各種開発プロジェクトに関する詳細な説明がなされ、日本企業の参加が呼び掛けられた。

また、ウラジオストクを中心都市とする沿海州のダリキン知事との会談では、ロシア西部のみならず、極東地域に対しても日本企業が積極的に進出することへの期待が示された。

ウラジオストクでは、2012年にAPEC首脳会議の開催が予定されており、大規模なインフラ整備が見込まれている。この関連で、ミッション一行は当地のインフラ関連企業各社を訪問した。

ウラジオストク商業港では、港湾と鉄道の有機的な連携を可能にする輸送網の整備や輸送インフラの近代化計画について説明があり、ロシア鉄道ウラジオストク支社でも、商業港との業務連携の重要性について言及があった。

また極東船舶会社では、海上・陸上輸送の統合を進め、総合的なロジスティックス企業をめざすとの説明があった。極東エネルギー会社では、極東地域における電力需要の拡大に対応すべく、電力インフラの整備を加速させる計画について説明を受けた。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
Copyright © Nippon Keidanren