日本経団連タイムス No.2883 (2007年11月15日)

第43回日本経団連洋上研修団が帰国

−講演やグループ討議通じ「改革の一歩を踏み出す」/業種・業態超えて交流を深める


第43回日本経団連洋上研修団の一行が9日間の研修を終え、10月27日に帰国した。「改革の一歩を踏み出す」を総合テーマに、全国の企業・団体で活躍する管理・監督者235名は、新しいリーダー像や職場活性化の条件などを探るとともに、さまざまなプログラムの中で業種・業態を超え交流を深めた。

研修プログラムの中心は講師やアドバイザーによる講演と、グループ討議による「課題研修」。講師陣による最新のマネジメント講演では、状況判断の仕方や問題解決技法などを学んだ。また、加藤丈夫名誉団長(富士電機ホールディングス相談役)の講話、鄭起永釜山外国語大学学長の文化講演などで、変化の潮流や日韓異文化比較についての理解を深めた。

課題研修では全団員が5班に分かれ、さらに6〜7名で職種別(管理者コース、監督者コース)のグループを編成し、グループごとに討議を重ねた。

各班にはベテランのコーディネーターが付き、討議の狙いや方法を指導する。まず、職場で当面する問題をKJ法により洗い出し討議テーマを設定した。次にSWOT法を用いて社内・社外の環境両面から状況を分析し、テーマの今日的意義を検討。さらに、設定したテーマを各グループの代表が班内でプレゼンテーションし、他のグループがフィードバックする。テーマはモチベーション、リーダーシップ、コミュニケーション、部下指導など多岐にわたる。引き続いてテーマに沿っての討議を重ね、あるべき姿と現状を明確にし、克服すべき課題を掲げ、自分たちがどのように行動すべきか、短期・中長期に分けて行動計画を策定した。

船内研修のほか、寄港した上海では三つのグループに分かれ、現地企業や学校を訪問した。ダイナミックに変貌する上海のエネルギッシュな人々と組織を目の当たりにして、多くの団員が驚きを覚えたようだ。その後、一行は南京、杭州、蘇州、あるいは上海市内などのオプショナルツアーを楽しんだ。

研修団は韓国の釜山にも寄港し、韓国文化体験、韓国新幹線KTXの乗車、世界遺産の慶州訪問など、同国の伝統と文化、日本とのつながりなどを垣間見ることができた。

課題研修は釜山出港後に大詰めを迎え、夕食後の自由時間にも討議を続けるグループが船内のそこここで見られた。

最終日には、各班から選ばれた代表グループが研修成果を報告。続く研修修了式で、加藤名誉団長が団員一人ひとりに修了証書を手交し、今後の活躍に期待するはなむけの言葉を贈った。

時折、荒波にもまれることもあったが、すべての日程を終え、研修船「ふじ丸」は予定どおり横浜へ帰港、下船時には別れを惜しむ団員たちが、充実した面持ちで再会を期していた。

【日本経団連事業サービス研修担当】
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