日本経団連タイムス No.2906 (2008年5月29日)

ノパドン・タイ外相と懇談

−ノパドン外相、経済関係深化を強調


日本経団連は9日、都内でタイ王国のノパドン・パッタマ外務大臣との昼食懇談会を開催した。日本経団連からは丹羽宇一郎・日タイ貿易経済委員長らが出席した。
懇談会におけるノパドン外相のあいさつ要旨は次のとおり。

タイはビジネスにとって、大きなポテンシャルを有している。タイ政府は開放的な市場主義経済を支持しており、今後も企業に対してフレンドリーで投資しやすい環境の整備を行っていく考えである。

1997年のアジア金融危機以降、日本からタイへの投資は106.6%増加し、二国間の貿易は85.2%拡大している。両国間の経済パートナーシップは確固たるものになっており、日本と協力し、経済関係をさらに深化させたいと願っている。

昨年、日タイ経済連携協定(JTEPA)が発効した。発効直後の3カ月にタイの対日輸出は47億ドル、前年同期比で12.11%増加した。このうち20%が新たなEPAのスキームの下で実現したものであり、今年3月末までに発行された原産地証明書はタイ側だけで4万枚に上った。今後数週間のうちに、協定の水準を高めるための多くの作業部会が設置され、両国間の議論が始まるが、JTEPAに秘められた大きなポテンシャルを、今後両国が裨益することを確信している。

外国企業やタイ企業のビジネスを円滑化する取り組みの一環として、タイ外務省はすべての大使館にビジネス情報センターを設置することとした。センターでは、タイでビジネスを展開する上で必要な、正確で完全な情報を提供する予定だ。在京タイ大使館でもウェブサイトを設け、さまざまな情報を提供している。

日タイ間のパートナーシップは、二国間以上の広がりを示している。タイの外交政策の優先課題の一つに、近隣諸国のCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)に対する積極的な関与がある。この政策を通じて経済開発の機会を拡大し、日本と近隣諸国の緊密化に協力していきたい。日本企業がCLMVのインフラ整備において、タイと緊密に協力することに関心を持っていると聞き、大変嬉しく思う。

昨年は日タイ修好120周年であった。今後も日本とタイの絆を活かし、タイと日本がパートナーとしてさらに多くの収穫を得られるようさまざまな協力の道を模索していきたい。

【国際第二本部アジア担当】
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