日本経団連タイムス No.2914 (2008年7月24日)

自民党の「道州制に関する第3次中間報告」の説明を聴き意見交換

−櫻田・自民党道州制推進本部長代理招き/道州制推進委員会


日本経団連は15日、都内で、道州制推進委員会(中村邦夫委員長、池田弘一共同委員長)を開催した。会合には、自由民主党道州制推進本部本部長代理の櫻田義孝衆議院議員を招き、自民党が7月に取りまとめた「道州制に関する第3次中間報告」について説明を聴くとともに、意見交換を行った。

説明の冒頭、櫻田本部長代理は、2005年11月の内閣府副大臣就任以来、道州制特区推進法案の策定に携わった経験を紹介した。道州制特区推進法については、中央省庁から権限を奪うことが大変困難な中、当初の法案から内容は後退したものの、将来の道州制導入に夢をつなぐものになったと述べた。

続いて、道州制に関する第3次中間報告の内容について説明した。その概要は次のとおり。
第1に、道州制導入の理念は、少子・高齢化社会への対応、地域経済力強化、国際競争力の強化により日本再生のために国のあり方を見直すことである。また、道州制導入の目的は、中央集権体制からの脱却や、地方分権体制の確立、東京一極集中の是正などである。
第2に、道州制のメリットとして、二重行政の打破や、道州間の政策競争による国全体の多様化・活性化が挙げられる。住民から道州政府が遠くなることに対しては基礎自治体で対応すればよいなど、デメリットとされることにも基本的に対処可能である。
第3に、道州制の骨格としては、権限・財源・人間の「3ゲン」をパッケージとして道州や基礎自治体へ積極的に移譲し、連邦制に限りなく近い道州制の導入をめざすべきである。
第4に、第3次中間報告では、道州の区割り・州都、大都市制度、道州と国の役割分担、公務員制度、道州議会、道州の自治立法、基礎自治体、税財政改革などについての考えを示した。特に、道州制導入のプロセスとして、今年秋の臨時国会開会後、道州制基本法の制定に向けてプロジェクトチームを設置し、来年の通常国会への法案提出・成立をめざしている。

続いて行われた意見交換では、池田共同委員長から、「道州制に関する基本法を早期に制定してほしい」「東京問題は税財源や区割りに直結する」との意見が出された。これに対して櫻田本部長代理は、「道州制に関しては、首都圏選出の国会議員に積極的になってほしいと考えている。基本法の策定にあたっては、道州制導入のための戦略本部の設置を明記し、戦略本部で南関東における道州制のメリットを検討したい」と述べた。

第2次提言に向け具体的課題検討へ

道州制推進委員会では、今後、今年秋に発表予定の第2次提言に向け、道州制の先行導入のあり方や首都のあり方など、具体的な課題について検討を進めていく予定である。

【産業第一本部行革担当】
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