日本経団連タイムス No.2921 (2008年9月18日)

二階経産相と懇談

−税制、WTO、EPA、温暖化対策、資源・エネルギーなどで意見交換


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は10日、都内のホテルで二階俊博経済産業大臣をはじめとする経済産業省幹部との懇談会を開催した。懇談会には、経産省から二階大臣はじめ、高市早苗副大臣、松村祥史大臣政務官、谷合正明大臣政務官、望月晴文事務次官ら26名が、日本経団連からは、御手洗会長、米倉弘昌評議員会議長はじめ副会長・評議員会副議長ら28名が参加した。

新経済戦略見直しで説明聴く

冒頭あいさつに立った御手洗会長は、「世界のエネルギー・資源価格の上昇と世界経済の減速等に伴い、わが国では経済の停滞が続いている」との認識を示し、日本の経済を再び成長軌道に乗せるために、産業・経済の活性化に向けた重要政策課題について忌憚のない意見交換をしたいと述べた。

続いてあいさつした二階大臣は、政府が2006年6月に発表した新経済成長戦略の見直しについて、「原油高、資源高が相次ぐ中で、経済見通しを修正せざるを得ないが、この見通しの中でもわれわれがかねて主張したGNI(国民総所得)2.4%の目標を引き下げずに実現したい」と強い意欲を示した。

また、「資源価格高騰の直撃を受けている中小企業対策をまずしっかりやる必要がある」と、政府として対策を進めていることを紹介しつつ、経済界にも一定の理解と協力を求めた。

さらに、国民の購買力強化に向けた賃上げについて、経済界の協力を求める一方、「ご意見があることは承知している」「税制など今後しっかりした対応をしていきたい」と、環境整備に取り組んでいく考えを示した。

懇談会では、この後、経産省側から資源高など最近の経済情勢の変化に対応した新経済成長戦略の見直しについて説明を聴くとともに、税制やWTO、EPA(経済連携協定)、温暖化対策や資源・エネルギー問題などについて、意見交換を行った。

閉会にあたり御手洗会長は、二階大臣が冒頭のあいさつで行った賃上げ要請に対し、「資源高に関して価格転換ができなかった状況に円高が後押しし、経済界は大変苦しい状況にある」と厳しい経済状況に改めて理解を求め、「新経済成長戦略を着実かつスピード感をもって実現し、一日も早く成長軌道に回復するために強力な指導力を発揮してほしい」と述べるとともに、要請については「重く受け止めている」と応え、来年の春季労使交渉でできる限りの努力をしたいとの考えを示した。

【産業第一本部産業基盤担当】
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