日本経団連タイムス No.2922 (2008年9月25日)

2008年政策評価発表

−政策本位の政治に協力、積極的政治寄付呼びかけ/評価期間は07年11月から08年8月


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は17日、2008年の政策評価を取りまとめ、中村邦夫副会長、大橋光夫政治対策委員長が東京・大手町の経団連会館で発表記者会見を行った。

記者会見の冒頭、中村副会長は、「経団連では、2004年から毎年、政党の政策評価を実施するとともに、政策評価を参考にした自発的な政治寄付を促進している。これは政策を軸に政党への支援を高めることにより、政策本位の政治に協力し、改革を後押しするためだ。このため経団連は、政治寄付を企業の重要な社会貢献と位置付けている」と述べ、より多くの企業が積極的に政治寄付を実施し、政策本位で政治を支える運動をより大きなものにしていきたいと呼びかけた。

続いて、大橋委員長から、評価結果の概要について次のとおり、説明があった。評価期間は07年11月から08年8月、評価対象政党は自由民主党ならびに民主党。

評価のポイント(1)−自由民主党

この1年間、自民党は財政収支の均衡と経済の成長力強化の両立をめざし、諸施策を展開した。また、道州制の推進や経済連携協定(EPA)の締結加速、北海道洞爺湖サミットの成功など一定の成果も上がった。一方、税制・財政・社会保障の一体改革や雇用・就労形態の多様化に向けた環境整備などについては大きな進展は見られなかった。

「ねじれ」という難しい政治情勢の中、野党へ積極的に政策協議を呼びかけたものの、十分な協力が得られず、衆院再可決などに踏み切ったこともあった。「ねじれ」下であっても、政治がタイムリーに意思決定できる仕組みを構築することが大きな課題として残った。

評価のポイント(2)−民主党

民主党の政策には財源の根拠が不明確で実現に問題があるものが多い。個別の政策事項では、科学技術など優先政策事項と同じ方向の分野、雇用・就労など相反する分野が混在している。

また、国家公務員制度改革など与党と協力して法案を成立させた事例もあったが、国会等での法案や国会同意人事などをめぐる対応など、概して、政局を重視したという印象は否めなかった。

◇◇◇

今後、日本経団連では会員企業に対して、政策評価を参考に、企業の社会貢献の一環としての政治寄付を積極的に実施するよう呼びかけていく。同時に政党に対しては、(1)民間の寄付を政策立案・推進能力の強化に充当すること(2)政治資金の効率化と透明性の向上に努めること――を改めて要望していく。

【社会第二本部政治担当】
Copyright © Nippon Keidanren