日本経団連タイムス No.2923 (2008年10月2日)

「裁判員休暇制度アンケート」集計結果公表

−9割弱の企業が「有給休暇扱い」


日本経団連は9月17日、「裁判員休暇制度アンケート」集計結果を公表した。同アンケートは、経済法規委員会(張富士夫委員長、萩原敏孝共同委員長)において、来年5月21日から開始される裁判員制度に向け、従業員が裁判員に選任された場合への対応として、同委員会に所属する企業の現在の取り組み状況について、今年7〜8月にかけて調査したものである(対象企業197社、回答企業93社、有効回答率47.2%)。
アンケート結果の概要は以下のとおり。

■ 裁判員のための特別休暇制度等の導入状況

「導入済み、もしくは導入を決定済み」であると回答した企業が59社(63%)、「導入を検討中である」と回答した企業が34社(37%)となり、「導入する予定はない」と回答した企業はみられなかった。裁判員制度に対する高い関心と、これに対して早期に対応し、協力体制を整備しておこうという、企業の積極的な姿勢がうかがえる。

■ 取り扱いの形態

「有給休暇扱い」と回答した企業が80社(86%)に上っているのに対し、「無給休暇扱い」と回答したのは2社(2%)にとどまり、ほとんどの企業で有給休暇の扱いとしている。

なお、有給休暇とした企業の対応としては、「裁判員特別休暇」を新たに設けたケースのほか、従来から規定されている「公務休暇」や「特別休暇」に含めるなどの対応があり、適用される休暇制度の具体的名称は企業ごとに異なる。

■ 就業規則における取り扱い

実際の就業規則上の取り扱いにおいては、「従前の規定に解釈上含むとし、就業規則は改正せず」と回答した企業が31社(34%)と最も多くなった。次いで、「従来の規定に例示を加え、就業規則を改正済みである」と回答した企業が18社(19%)、「新制度を創設し、就業規則を改正済みである」と回答した企業が13社(14%)となっている。

一方、対応について決定済みであるが、就業規則の改正が完了に至っていないのは全体の16社(18%)にとどまり、各企業とも迅速な対応をしていることがうかがえる。

また、現在も従前の規定に解釈上含むとして、裁判員制度への対応は可能であるが、より明確化を図るため、就業規則上明記する方向で改正を検討中であるという回答もあった。

なお、規則を変更し、かつ改正済みと回答した企業においては、調査時点において、既に改正済み規則を施行開始しているとの補足もみられた。

【経済第二本部経済法制担当】
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