日本経団連タイムス No.2926 (2008年10月23日)

最近の労働基準監督行政の概要聴く

−一般労働条件の確保・改善対策など/労働法規委員会労働法企画部会


日本経団連は8日、東京・大手町の経団連会館で、労働法規委員会の労働法企画部会(上坂清部会長)を開催した。当日は、厚生労働省労働基準局監督課長の吉松美貞氏を招き、「最近の労働基準監督行政の概要について」をテーマとする講演を聴いた。

吉松厚生労働省労働基準局監督課長講演要旨

吉松氏は冒頭、最近の労働基準監督行政の柱の一つとして、長時間労働の抑制・過重労働による健康障害防止対策があるとし、時間外労働協定(36協定)の適正な締結と運用、年次有給休暇の取得促進、労働時間等の設定改善、労働者の健康確保を図るための医師による面接指導等の実施などについて、最新の統計数値等を交えながら詳しく説明した。

次に、全労働者の約33%を占めるようになったいわゆる非正規労働者に関する対策について説明があった。具体的には、監督指導時における労働基準関係法令の順守を徹底させること、派遣労働者の安全衛生に関する使用者責任の問題、日雇派遣指針の概要、二重派遣の問題、有期契約労働者における「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」の改正に伴う有期労働契約に関するルールの明確化、また、改正パートタイム労働法の趣旨及び内容の周知を徹底させることなどが重要であるとした。

また、監督行政のもう一つの柱として推進している一般労働条件の確保・改善対策については、労働条件の通知や就業規則の周知などの法定労働条件の枠組みの確立及びその管理体制を適正に確立・定着させること、賃金不払残業の解消問題を中心とした労働時間管理の適正化を徹底させることとした。

最後に、9月9日に出された通達「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」は、(1)十分な権限、相応の待遇等が与えられていないにもかかわらず管理監督者として取り扱われるなど不適切な事案もみられることから、その範囲の適正化を図ることを目的として発出したものであること(2)基本通達で示された管理監督者についての基本的な判断基準を変更したり、緩めたりしたものではないこと(3)通達で示した判断要素は、監督指導において把握した管理監督者の範囲を逸脱した事例を基に管理監督者性を否定する要素を整理したものであり、これらに一つでも該当する場合には、管理監督者に該当しない可能性が大きいこと――などに留意すべきと説明し、通達によって管理監督者の範囲を広げたわけではないことを強調した。

その後、質疑応答、意見交換が行われ講演は終了した。

【労政第二本部労働基準担当】
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