日本経団連タイムス No.2926 (2008年10月23日)

第44回日本経団連洋上研修団出発

−「改革の一歩を踏み出す」/新しいリーダー像や職場活性化の条件など探る


「職場を変えるとはどういうことか。どうすれば組織や個人は元気になるのか」。管理者・監督者にはいま、自らが先頭に立って変革を推進していくことが求められている――。企業の第一線で活躍する管理者・監督者231名が17日、「改革の一歩を踏み出す」を総合テーマに、新しいリーダー像や職場活性化の条件などを探る9日間の洋上研修に横浜港から出発した。

出港を前に研修船「ふじ丸」(2万3000トン)デッキで行われた結団式・壮行式では、まず研修団の名誉団長を務める日本経団連の岡部弘地方団体長会副議長(デンソー相談役)が、「世界経済の影響を受け、日本経済も減速の危機を迎えているが、こういう状況だからこそしっかりと足元を見つめて、改革すべきことは改革していかなくてはならない。その先頭に立つのは皆様方リーダーである」とあいさつ。主催者を代表してあいさつした川本裕康日本経団連常務理事は、「船上でのグループ討議や異業種交流をはじめ、発展著しい中国、韓国の市民生活、産業事情などを視察し、国際感覚を培うことも洋上研修の重要なテーマ。帰国後は、それぞれの職場でその成果を存分に発揮してほしい」と激励した。また、来賓として出席した神奈川県経営者協会会長(日産自動車副会長)の高橋忠生氏および講師を代表して3Dラーニング・アソシエイツ代表の関島康雄氏がそれぞれ、研修の成功と研修修了後の活躍を期待してあいさつした。

これに応えて、ヒロセ電機の長鈴幸憲氏が、「職場において変革の推進役となれるよう、新しいリーダーシップのあり方を学び取りたい」と団員を代表して決意を表明した。

参加者は船内で寝食をともにしながら、講演や実務講座などを受講するほか、班・グループごとにテーマ設定から行動計画を策定。メンバー同士の討議を通じて、職場や部下を活性化するマネジメント力を学ぶ。船内の主な研修プログラムは、「マネジメント講座」「コース別講座」「課題研修」「発表・報告会」「特別講演」「中国語会話講座」など。

一方、寄港地研修では中国・上海、韓国・釜山の2都市を訪問。上海では、上海大金空調、上海大同利美特、上海宝鋼集団、上海民族楽器第一工場、上海市甘泉外国語中学などを選択訪問。釜山では、朴明欽・釜山韓日文化交流協会会長による講演「韓日生活文化の比較」を受講する。

船内講座の講演テーマと講師は次のとおり。

「経営環境の変化とリーダーシップ」「人を育てるには」「強いチームのつくり方」
関島康雄アドバイザー
「なぜ改善が必要か」「現場を革新する問題解決法」
柿内幸夫講師・改善コンサルタンツ常務
「コーチングの基本技術」「コーチングをマネジメントに活かす」
本間達哉講師・コーチ・エィ取締役
「クオリティー経営」
岡部弘名誉団長
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