日本経団連タイムス No.2927 (2008年10月30日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は27日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

冒頭、御手洗会長は、足下の経済情勢について、「急激な為替変動は、企業活動に悪影響を及ぼすため好ましくない。現在の株価水準は、経済のファンダメンタルズに鑑みれば、行き過ぎの感が否めない。日本政府は迅速に補正予算を成立させ、必要な金融安定化策の検討を進めている。迅速かつタイムリーな対応を評価する」と語った。その上で日本経済を早急に立て直すため、(1)中低所得層や子育て世帯を対象とした所得税減税(2)自己資金による住宅投資減税の創設、住宅ローン減税の拡充・延長(3)省エネ、研究開発などに関する投資促進税制の拡充(4)証券税制の優遇措置の延長(5)海外子会社からの受取配当金の非課税制度の創設(6)中小企業の資金繰り対策――を追加経済対策に盛り込み、可能な限り早く実行するよう要請。「こうした厳しい経済情勢にあることから、政治空白は許されない。財政健全化路線の堅持は当然であるが、非常時であることから、財源の手当てについては、一時的、弾力的な対応をすべき」と語った。

また、時価会計の見直しについては、検討に値すると指摘した上で、見直す際は、欧米との連携を図りながら対応していくべきとの見解を示した。

さらに、急激な円高に対応するため、為替介入はあって然るべきタイミングと指摘する一方、円以外の通貨に対しては相対的にドル高も進行しており、日米欧による協調介入は難しいだろうと述べた上で、日本単独での介入は効果に疑問との考えを示した。

【社会第一本部広報担当】
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