日本経団連タイムス No.2928 (2008年11月13日)

地域コミュニティーとのかかわりは?

−経済広報センターがアンケート調査結果発表


日本経団連の関連組織である経済広報センター(御手洗冨士夫会長)は10月29日、「地域コミュニティーとのかかわりに関するアンケート」調査結果を発表した。その結果、居住地域内の活動(地域コミュニティーに加え市役所などの公的機関での活動も含む)に7割弱の人が参画していること、地域コミュニティーに必要なものとして参加条件の緩和や活動環境の柔軟性が求められていることなどがわかった。

同調査は経済広報センターが全国に組織している「eネット社会広聴会員」3071人を対象に8月にインターネットを通じて実施したもの。有効回答数は2083人だった(有効回答率67.8%)。

近年、少子・高齢化、地方の過疎化、家族形態の多様化が急速に進行している。制度面においても市町村合併が進み、基礎自治体の規模が大きくなり、道州制議論も高まっている。そのような状況下、地域コミュニティーの役割が増していくと考えられる。そこで経済広報センターでは現在、地域内で活用・参画している組織や内容、それに対する評価、今後の期待などを調査した。

調査結果の概要は次のとおり。

居住地域内の活動、7割弱の人が参画

7割弱の人たちが、居住地域内の活動に参画している。その内容は、地域全体に関するものより、個人・家族に関するものが多い。「学術、文化、芸術、スポーツ」や「保健・医療、福祉」など、趣味や自分自身、家族に関する分野での活用が20%台と多く、「まちづくり(景観、観光振興など)」「環境の保全」「防災、救援活動」「地域安全活動」など地域全体に関するものは10%台である。世代別にみると、若い世代の活用・参画率は43%で、世代が上がるにつれて高くなる傾向にあり、60歳以上は80%が地域内での活動に参加している。

居住地域内での相談・情報収集先や、参画している活動組織で、最も活用が多いのが「市役所、区役所など(公的機関)」で59%、男女別、世代別、いずれにおいても最も活用されている。「町内会、自治会」が44%と続いた。

地域内の組織を活用している人の割合は「ほぼ毎日」から「月に1回程度」の選択肢を合わせた「月に1回以上」が65%。世代別にみると、世代が上がるにつれて活用頻度も高くなる傾向にあり、60歳以上では「月に1回以上」の割合が85%に達する一方、29歳以下の若い世代は47%と、半数を下回っている。

居住地域内で参画している活動やイベント、相談・情報収集の内容に対する評価は、「有意義だった」と「どちらかといえば有意義だった」を合わせると86%に達した。世代が上がるにつれて評価も上がる傾向にあり、29歳以下では69%だが、60歳以上では95%が肯定的な評価をしている。

今後、地域内でさらに活用・参画したい活動等の内容は「社会教育(生涯学習など)」が27%、「学術、文化、芸術、スポーツ」が21%と、「個人・家族に関する分野」が高い割合を占める。さらに、現在の参画率が低い「環境の保全」「まちづくり(景観、観光振興など)」「地域安全活動」「防災、救援活動」などの「地域・社会に関する分野」の項目が20〜25%の割合を占めており、今後、活用・参画が増える可能性がある。

今後、居住地域内でさらに活用・参画したい項目を行う組織としては、「市役所、区役所など(公的機関)」が61%で、現在の参画率と同様、最も高い割合を占めている。次いで「NPO法人、ボランティア組織など」が49%となっており、現在の参画率である28%から21ポイント増加している。

居住地域内での活動に参画していない人のうち81%が、今後、地域内活動に参画したいと考えている。

参加条件緩和や活動環境の柔軟性求める

地域コミュニティーに必要なものとしては、「気軽にメンバーとして参加できるようにする」「活動環境に柔軟性をもたせる」「どこで、何をやっているかわかりやすくPRする」の3つの項目が50%以上の割合を占めている。これらを強化することによって、住民の地域コミュニティー活用・参画を促進し、地域コミュニティーの活性化につながると考えられる。

地域コミュニティーの活動に企業がどのようにかかわってほしいかについては、「保有施設の開放」(45%)、「資金援助」(45%)、「地域行事への参画」(43%)の3項目の割合が高い。「地域コミュニティーからの要請に対する協力(講師派遣・出前授業など)」といった、その他の活動においても、住民は、企業が地域コミュニティーへ協力・参画することを期待していることがうかがえる。

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