日本経団連タイムス No.2931 (2008年12月4日)

第21回日タイ合同貿易経済委員会開催

−日タイEPA発効後の戦略的な経済関係の構築へタイ経済界と意見交換/バンコクで


日タイ修好120周年を迎えた昨年の11月、日タイ経済連携協定(JTEPA)が発効し、両国の経済関係は新たな時代を迎えている。タイの政情は依然不安定な状況が続いているが、日タイ経済関係の重要性にかんがみ、日タイ貿易経済委員会(丹羽宇一郎共同委員長、西松遥共同委員長)では、タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB、プラモン会長)と11月17日、バンコクにおいて第21回日タイ合同貿易経済委員会を開催した。会合には日本側代表団75名、タイ側代表団150名が参加した。

歓迎あいさつでプラモン会長は、日タイ合同貿易経済委員会が二国間の経済協力関係を強化する上で果たしてきた役割の重要性を評価した。また、JTEPAの発効後、日タイ間の貿易額は加速度的に拡大していると指摘し、JTEPAの成果の補強と評価のため、合同作業部会の設置を提案した。

丹羽共同委員長は、JTEPAの活用を通じた二国間関係の強化に期待を表明するとともに、日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定の発効(12月1日)も踏まえ、東アジア地域経済統合における両国の戦略的な連携の重要性を強調した。

同合同委員会では主に以下の3点について活発な意見交換が行われた。

(1)日タイ経済関係の現状とグローバル経済の課題

金融不安の実体経済への影響が懸念される中、タイ政府の経済政策パッケージについて紹介された。
また両国経済界は、G20合意に沿って、両国政府が経済混乱の拡大を防ぐよう要望することの必要性について認識を共有した。

(2)JTEPAを通じた戦略的経済連携

JTEPAはAJCEP協定とともに地域経済の安定性を高め、地域統合を加速する上で重要な役割を担うものと評価。他方、行政手続き上の問題や相互認証の推進、協力分野の拡大等、今後取り組むべき諸課題が指摘された。また、JTEPAの運用において民間の参加拡大を両国政府に要望していくことが確認された。

(3)大メコン圏(GMS)における日タイ連携の可能性

経済回廊をはじめとするインフラ整備状況について双方から報告が行われるとともに、GMSにおける戦略的拠点としてのタイの重要性が確認され、日タイ連携・協力について検討を進めることとなった。

【国際第二本部経済連携担当】
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