日本経団連タイムス No.2934 (2009年1月15日)

新年祝賀パーティー開催

−日本経団連など経済3団体



新年祝賀パーティーであいさつする御手洗会長

日本経団連(御手洗冨士夫会長)、日本・東京商工会議所(岡村正会頭)、経済同友会(桜井正光代表幹事)の経済3団体は6日、都内のホテルで「2009年新年祝賀パーティー」を開催した。当日は、各団体の会員企業代表者や政官界の要人など約1500人が出席、賀詞を交換した。

冒頭のあいさつで日本経団連の御手洗会長は、日本経済は極めて厳しい環境下にあるが、危機的な状況から脱却し、持続的な成長につなげていくためには、明確なビジョンに基づいて、果断に政策を実行していくことが不可欠と指摘。税制抜本改革を含む成長力の強化、財政健全化と持続的な社会保障制度の確立、環境対策、道州制の導入による地域経済の活性化などの課題に国を挙げて取り組むことの必要性を強調した。

一方、雇用問題については、官民が協力して雇用の安定を図り、働く場を創造していく必要があると指摘するとともに、企業には労働法制の順守の徹底、政府には雇用保険の対象者拡大、失業給付等の拡充などセーフティネットの早急な拡充を求めた。その上で、最良の処方箋は景気回復であると指摘。実績と経験に裏打ちされた技術と知見に基づいて、企業が牽引役となって経済の活力を取り戻すことに全力を挙げたいとの考えを示した。

3団体長が共同記者会見/御手洗会長、09年景気見通しなどで見解

パーティーの後、3団体長は共同記者会見において、景気見通し、雇用、労働者派遣法などに関して、それぞれ見解を述べた。会見での御手洗会長の発言概要は次のとおり。

■ 2009年の景気見通しについて

非常に厳しい1年になるだろう。ただし、中長期的には、世界経済は市場の拡大や新興国の成長、技術革新を通じ、成長を続ける潜在能力を有する。
世界経済の持ち直しには、米国経済の早期回復が不可欠である。オバマ新政権が、雇用・需要の創出に向けた大規模な対策を講ずることを期待したい。また、貿易・投資の拡大に向け、WTOドーハラウンドの早期妥結が極めて重要である。
日本政府も、当面景気対策をスピーディーに実施するとともに、骨太の成長戦略を策定し、実行することが必要だ。さらに、日本銀行にはCP・社債の買い取りなど、企業金融の円滑化に向けた万全の対応を期待したい。

■ 雇用について

企業は、積極的に新規雇用の創出に努めていく。具体的には、イノベーションを推進し、高付加価値製品や新サービスを生み出す。また、官民で協力し、介護、保育、農業等の分野における新たな雇用創出に取り組む。ジョブカード制度等も積極活用する。
日本経団連としても引き続き、会員企業に対し、雇用の安定と法令順守の徹底を呼びかける。各社の事情に応じた住居支援などの取り組みについても期待したい。
政府にはセーフティネットの拡充を求める。今国会では、失業給付等の拡充を盛り込んだ雇用保険制度の見直し法案が審議される。早期の成立と施行を求めたい。公共事業の前倒し実施も必要だ。

■ 労働者派遣法について

労働者派遣法は、労働政策審議会における公・労・使の協議の下、経済の構造変化や労働者の多様な働き方に対するニーズに対応しながら、段階的に見直されてきた。今後も環境変化に応じて、同審議会の場で適宜議論し、必要があれば見直しをしていけばよい。


新年祝賀パーティー後に記者会見する御手洗会長(中央)と
桜井経済同友会代表幹事(左)、岡村日本・東京商工会議所会頭
【総務本部渉外担当、社会第一本部広報担当】
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