日本経団連タイムス No.2937 (2009年2月5日)

パルヴァノフ・ブルガリア大統領と懇談

−経済交流拡大に意欲示す



左から横山共同委員長、パルヴァノフ大統領、御手洗会長

日本経団連の御手洗冨士夫会長は1月28日、東京・大手町の経団連会館でブルガリア共和国のゲオルグ・パルヴァノフ大統領と懇談した。続いて同大統領一行との昼食懇談会が開催され、横山進一ヨーロッパ地域委員会共同委員長らが出席した。会長との懇談、昼食懇談会におけるパルヴァノフ大統領の発言要旨は以下のとおり。

■ 経済面の交流拡大を

2009年は、日本とブルガリアとの外交関係再開50周年であると同時に国交樹立90周年という記念すべき年であり、これまで順調に拡大してきた政治・文化面の交流に加えて、今後は経済面の交流拡大に力を入れていきたい。
現在、日本・ブルガリア間の貿易額は年間1〜2億ドルにすぎず、ポテンシャルに見合う水準にない。日本からブルガリアへの直接投資もいまだ少ない。

■ 投資先として好条件を提供

ブルガリアは投資家に数々の魅力的な条件を提供することができる。第一に、政治的な安定が確保されていること、第二に、ロシア、ウクライナはじめ黒海沿岸の隣国と伝統的に良好な関係を維持しており、ブルガリアへの投資を通じてこれらの国々へのアクセスが容易になること、そして第三に、投資に有利な税制が整備されていることである。例えば、ブルガリアの法人税率は10%とEU域内で最も低く、個人所得税については、08年から一律10%となっている。ブルガリア経済は過去5年間にわたり6%台の成長を達成しており、また、金融危機の影響は大きくないことから、今後も成長が続くとみている。
以上の結果、海外からの投資は毎年順調に増加している。特にエネルギー、インフラ、観光、先端技術を優先分野と位置付けており、日本ともぜひこれらの分野で連携・協力を進めていきたい。

■ エネルギー源の多様化が必要

ロシア・ウクライナ間の天然ガス供給停止問題は、ブルガリアをはじめEUの東方諸国に大きな影響を与えた。ブルガリアとしては、エネルギー源の多様化の必要性を再認識した。現在進行中の天然ガスパイプライン建設プロジェクトであるサウス・ストリーム計画およびナブッコ計画に参加するとともに、ナブッコ計画への参加を前提にアゼルバイジャン、トルクメニスタン、エジプトからブルガリアの年間消費量を上回る年間40億立方メートルの天然ガス供給を受けることで合意している。その他、国内で2基目となる原子力発電所を建設中であり、稼働の暁には、より安定したエネルギー供給が期待できる。

■ 新生ブルガリアにミッションを

日本経団連が前回ブルガリアにミッションを派遣したのはEU加盟前の05年9月である。07年1月のEU加盟を経て状況は大きく変化している。新生ブルガリアをぜひ見に来ていただきたい。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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