日本経団連タイムス No.2937 (2009年2月5日)

御手洗会長とドナヒュー米国商工会議所理事長が懇談

−自由貿易体制の維持と強化で意見が一致



ドナヒュー理事長(左)と握手する御手洗会長

北東アジア訪問の一環として訪日した米国商工会議所のトーマス・ドナヒュー理事長は1月16日、東京・大手町の経団連会館で日本経団連の御手洗冨士夫会長と懇談した。

冒頭、ドナヒュー理事長から、米国経済の現状は厳しく、失業者も増える中、一般的には政府が保護主義的政策に訴えやすい環境にあるが、米国商工会議所は以前から一貫して自由貿易を支持しており、今後もオバマ新政権の主要メンバーに自由貿易政策を推進するよう働きかけていきたいとの説明があった。

これに対して御手洗会長は、G20で国際金融システム安定化のための各種措置が合意されるなど、1930年代に各国の保護主義的政策が引き金となって大恐慌を招いた時代とは状況が異なると指摘した上で、現在の世界同時不況から脱却するために必要なことは、自由貿易体制の維持・強化であり、そのためにもWTOのドーハラウンドの早期妥結に向けて日米両国が協力していくことが重要であると述べ、ドナヒュー理事長もこれに同意した。

また、ドナヒュー理事長は、米国の景気対策について、今後の米国議会における審議の過程で、インフラ整備や減税などの面でさらに対策が追加されることを期待すると述べるとともに、米国に加えて、日本、中国、韓国で効果的な景気対策が実施されれば、欧州における景気対策の効果と相まって、2010年には世界同時不況から脱却できるのではないかとの期待を表明した。

【国際第一本部北米・オセアニア担当】
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