日本経団連タイムス No.2942 (2009年3月12日)

御手洗会長記者会見

−追加経済対策など


日本経団連の御手洗冨士夫会長は9日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

追加経済対策について御手洗会長は、「わが国経済は、かつて経験したことのない危機的な状況に直面している。中長期的な財政健全化の重要性には留意する必要があるが、今は雇用の安定・創出と成長力強化につながる大規模でスピーディーな財政出動が必要な時」と指摘。政府・与党に直ちに平成21年度補正予算を編成し、経済対策を切れ目なく迅速に実施するよう求めた。その上で対策のポイントとして、(1)即効性のある需要創出策(2)雇用のセーフティネットの拡充と労働移動の円滑化(3)企業の資金調達・資金繰りの円滑化――を挙げた。

株価対策に関しては、「株価の下落は、銀行保有株の下落を通じ企業の貸し出しに影響を及ぼす。株価が上昇する要素が見当たらない中、これまでの発想を大幅に転換した大胆な対策が必要」と指摘した上で、緊急提言において、TOPIX転換政府保証債を一つのアイデアとして提示したことを紹介。日本経団連として引き続き、対策のスキームを検討していくと述べるとともに、政府・与党の議論に期待を示した。

また、経済危機の深刻化に伴い、昨年末から、雇用確保や国内産業保護を重視するあまり、保護主義的な措置を取る国が目立っていると指摘。こうした動きが世界経済をさらに悪化させないよう、4月のG20金融サミットに向けて、保護主義の排除とルールに基づく自由貿易体制の維持を求めていくとの考えを示した。

【社会第一本部広報担当】
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