日本経団連タイムス No.2943 (2009年3月19日)

金属関係主要4業種で回答提示

−ベースアップはゼロ回答/春季労使交渉


電機や自動車、鉄鋼、造船重機など金属関係の主要4業種では、労働組合からの要求に対して、回答指定日である18日に経営側から回答が示された。賃金については、前年を大きく上回る要求に対して「賃金体系維持」(ベアゼロ)と回答した企業がほとんどであった。一方、賞与・一時金については、企業業績の著しい悪化を反映し、前年を大きく下回る水準での回答が目立った。

[電機]

賃金について「開発・設計職基幹労働者賃金(30歳相当)」の個別ポイントで水準改善額4500円の統一要求を受けていた電機では、日立、東芝、三菱電機、NEC、富士通、パナソニック、三洋電機、シャープ、パナソニック電工、富士通ゼネラル、富士電機グループ、明電舎、安川電機は「賃金体系維持」とのみ回答、水準改善額についてはゼロ回答となった。

年間一時金の回答については、日立製作所が126万6720円(前年147万7910円)、三菱電機が144万5000円(同167万3000円)、シャープが132万9488円(同170万2732円)、富士電機グループが4.0カ月(同4.96カ月)となっている。なお、東芝やNEC、富士通、パナソニック、三洋電機、パナソニック電工、富士通ゼネラル、安川電機は業績連動方式を採用している。

[自動車]

賃金(平均賃金引き上げ)については、日産は平均賃金改訂額6000円(前年平均賃金改訂額7000円)、トヨタ自動車は賃金制度維持分7100円(同賃金改善分1000円を含む7900円)、本田技研はベースアップ0円(同800円)、いすゞ自動車は賃金改善分0円(同1000円)、日野自動車は定期昇給分4500円(同賃金改善分1000円を含む5509円)、富士重工は賃金体系維持(同賃金体系維持)、マツダは賃金改善分組合員平均0円(同組合員平均800円)、ダイハツ工業は賃金体系維持(同賃金体系維持分を含む7200円)と回答している。

年間一時金の回答は、日産が150万6000円(昨年217万9000円)、トヨタ自動車が186万円(同253万円)、本田技研が5.0カ月(同6.6カ月)、いすゞ自動車が3.6カ月(同5.15カ月)、日野自動車が93万4400円(同133万9800円+5万円)、富士重工が4.2カ月(同5.0カ月)、マツダが125万円(同181万円)、ダイハツ工業が5.0カ月+α(同5.7カ月+0.1カ月)となっている。

[鉄鋼・造船重機]

賃金については、鉄鋼・造船重機ともに、2年を一つの単位とした複数年協定としており、今年度は個別年であることから要求はなく、交渉は行っていない。

年間一時金については、鉄鋼では、住友金属が198万円(昨年226万円)と回答したほか、新日鐵、JFE、および神戸製鋼については業績連動方式となっている。造船重機では、三菱重工が39万円+4.0カ月+生産協力金1万円(昨年43万円+4.0カ月)、IHIが4.0カ月(同20万円+4.0カ月)、三井造船が18.4万円+4.0カ月(同30万円+4.0カ月)、住友重機が4.47カ月(同5.8カ月)と回答、川崎重工は業績連動となっている。

【労政第一本部労政担当】
Copyright © Nippon Keidanren