日本経団連タイムス No.2946 (2009年4月9日)

李長春・中国共産党中央政治局常務委員歓迎昼食懇談会を開催

−御手洗会長、中国の経済成長に期待感表明



李長春常務委員(左)と握手する御手洗会長

日本経団連は3月30日、東京・大手町の経団連会館で日本政府の招きにより来日した李長春中国共産党中央政治局常務委員一行を歓迎して昼食懇談会を開催した。李長春常務委員は中国ナンバー5の国家指導者であり、変貌する中国にあって宣伝部門を統括する責任者として、社会の安定にとって最重要とされる大衆とのコミュニケーションに関連する部門を統括している。

懇談会の冒頭、御手洗冨士夫会長が歓迎あいさつを述べ、「世界経済が深刻な不況に直面している中、中国経済は引き続き高い成長を持続させており、中国政府が掲げる今年の8%の経済成長率を達成できるかどうかに高い関心を持っている」と中国の経済成長に対する期待感を表明した。

これに対して、李長春常務委員は「中国政府は通例11月に経済問題を検討するが、昨年はこれを前倒しして、9月以降、政府が取るべき経済対策を集中的に検討した」と景気刺激策の取り組み経緯を披露し、その後、引き続き昨年11月以降、中国政府が打ち出した内需拡大策について紹介した。

李長春常務委員が景気刺激策の取り組み経緯や内需拡大策説明

今年、中国政府が目標として掲げるおよそ8%の経済成長については、「第1に難度、第2に希望」と表現し、「厳しい情勢にあるものの、中国経済のファンダメンタルズや金融機関は国際的にみて比較的健全であり、また景気対策も効果を上げつつある」と述べ、目標達成に対して明るい見通しを示した。さらに李長春常務委員は、「効果が出ないなら、下半期に新たな追加策を打ち出す」と力強く語った。

中国側からは李長春常務委員のほか、王家瑞中国共産党対外連絡部長はじめ、党・政府の対外部門ならびにラジオテレビ映画総局長や文化大臣など宣伝・コミュニケーション関係の幹部20名、日本経団連側からは御手洗会長のほか、三村明夫副会長・中国委員会共同委員長など11名の幹部が出席した。

【国際第二本部アジア担当】
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