日本経団連タイムス No.2949 (2009年4月30日)

日中環境植林プロジェクト竣工

−約200名参加し式典も/御手洗会長が重慶訪れ竣工報告



竣工式典であいさつする関澤植林部会長

日本経団連が2001年から取り組んできた中国重慶市長寿区における環境植林は、8年間で1020ヘクタールの植林を完成し、12、13の両日に重慶市で竣工行事を行った。

同プロジェクトの契機は、長江大洪水が発生した1998年9月、当時の今井敬経団連会長が江沢民国家主席と会見した際に、日中関係を強化するために植林協力を申し出たことに遡る。経団連では、翌10月に中国委員会に植林協力部会を設置。中国側の関係機関と交渉を進め、重慶市郊外の長寿区において、重慶市青年連合会、長寿区人民政府とともに長江流域の水土保持のため土砂流出防止環境植林事業を実施することに合意した。日本の経済界から2億730万円の募金を集め、01年から2期、8年にわたり植林と育林管理を行ってきた。

延べ255万本に上る植林は、ポプラ、ハンノキ、竹などのほか、ミカン、ナツメ、ザボン、柿、梨、桃など経済林にまで及ぶ。06年には100年に一度といわれる熱波、大干ばつに見舞われたが、100ヘクタール程度の補植を行って被害を食い止めた。

08年をもって完成した同植林プロジェクトについて、12日に御手洗冨士夫日本経団連会長が重慶を訪れ、薄煕来重慶市委員会書記と会見し、竣工の報告を行った。薄煕来書記からは、同植林は環境保護と民生の両面で大成功であったと謝辞が述べられた。

翌13日には、植林の現場である長寿区鳳城街道事務所三洞村で竣工式典が開催され、重慶市人民代表大会常務委員会、共青団重慶市委員会、長寿区政府、長寿区青年代表など約200名が参加した。日本経団連を代表して、関澤秀哲中国委員会植林部会長があいさつを行い、これまでの関係者の協力に感謝するとともに、日中両国を緑の懸け橋でつなぎ、協力を強化するという所期の目的が達成されたことを嬉しく思うと述べた。重慶市人民代表大会常務委員会の余副書記、中国側重慶市長寿区人民政府の申副区長からは、日本経団連のこれまでの協力に対する感謝の思いが述べられ、今後「森林の重慶」を構築するとの意志表明がなされた。あいさつの後、竣工記念碑の除幕式と記念植樹が行われた。

【国際協力本部】
Copyright © Nippon Keidanren