日本経団連タイムス No.2951 (2009年5月21日)

未来企業のリーダーシップを学ぶ

−「日本経団連フォーラム21」第20期開講/日本経団連の経営幹部育成講座



「日本経団連フォーラム21」開講式であいさつする
御手洗チーフアドバイザー

日本経団連事業サービス(御手洗冨士夫会長)は、次代の経営幹部の育成を目的に実施している年間研修講座「日本経団連フォーラム21」の第20期開講式を13日、東京・大手町の経団連会館で開催した。開講式には、第20期講座の参加メンバーのほか、チーフアドバイザーを務める御手洗日本経団連会長、アドバイザーの茂木賢三郎キッコーマン副会長、OB代表として池田輝彦みずほ信託銀行会長らが出席した。

冒頭のあいさつで御手洗チーフアドバイザーは、自らの経験として、社長就任直後の1996年に長期計画「グローバル優良企業グループ構想」を策定したことに言及。具体的取り組みとして、(1)事業部制がやや行き過ぎ、部分最適に陥っていた会社の風潮を変えるために、8つの事業横断的なプロジェクトを実施し、さらに連結決算を導入したこと(2)『売り上げを上げれば利益は後からついてくる』との意識を変革し、赤字を圧縮するために、7つの不採算事業からの撤退を決断し、実行したこと――を紹介した。

また、「経営者は、世界経済や国内経済の情勢、金融や業界の動向などを知った上で、部下とのコミュニケーションも図りつつ、いわば命がけで、自ら経営計画を策定すべきである。そして、策定した計画とその実行のための戦略が機能しているかをチェックするために、自分の足で現場を回る必要がある」と述べた。

さらに、「今後1年間、フォーラム21という研鑽の場で、各分野の第一人者の講演を聴き、その見識に触れて教養を高めるだけでなく、さまざまな業種から集まったメンバー同士の意見交換などを通じ、経営リーダーとしての成長につながる刺激や発見を得てさらに飛躍してほしい」と参加メンバーを激励した。

次に、茂木アドバイザーが、「この研修は、各企業から、将来を担うポテンシャルのある優秀な人材が集う場であり、友好的な中に切磋琢磨する雰囲気がある。OB代表の池田みずほ信託銀行会長が典型例であるが、鮫島章男太平洋セメント会長や山元峯生全日本空輸副会長など、フォーラム21の修了生はさまざまな企業のトップリーダーとなり、日本の産業界に貢献している」と同講座を紹介した。

続いて、OB代表として、池田氏が、「私は部長になりたての16年前に第4期講座に参加した。当時の根本二郎チーフアドバイザー(日本経団連名誉会長)が、『われわれは歴史という縦と国際関係という横の座標軸に立っている』との話をされ、普段とは異なる脳の部分を刺激されたことを今でも覚えている」と振り返った。また、「第4期メンバーとは、年2、3回のペースで同窓会を開いており、今日の開講式の様子も皆に報告する」と、現在に至る人的交流を紹介した。

また、第19期修了生の浜本渉三井不動産開発企画部長と原文比古東京ガスエネルギー企画部長もそれぞれ登壇し、「課題図書や修了論文などもあり大変だったが、各分野の超一流の先生との交流が有意義だった」「業務が非常に忙しい中で、合宿等も含め万難を排して参加していた。皆さんにもぜひそうされるよう勧めたい」と語った。

第20期生の自己紹介では、参加メンバーが、「多様な業種・企業から集まった方々と広く人脈をつくっていきたい」「日々の業務から離れて刺激を受け、思い切り視野を広げたい」などと、同フォーラムに参加するにあたっての抱負や決意を述べた。

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第20期講座の総合テーマは「未来企業のリーダーシップを学ぶ」。御手洗会長がチーフアドバイザー、茂木氏に加え寺島実郎三井物産戦略研究所長、山内昌之東京大学大学院総合文化研究科教授、竹内弘高一橋大学大学院国際企業戦略研究科科長がアドバイザーを務める。
来年3月までの約1年間、経営戦略のみならず、国際関係、歴史、政治・経済・社会問題など広範な分野について、各界の第一人者の講演を聴取しメンバー間での討議を毎月行うほか、合宿研修や洋上研修、海外視察などを実施する予定である。
問い合わせは、日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

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