日本経団連タイムス No.2952 (2009年5月28日)

「日本経団連グリーンフォーラム」第4期開講

−大橋・チーフアドバイザー、メンバーを激励



あいさつする大橋チーフアドバイザー

日本経団連は、企業のミドルマネジメントの育成をめざす「日本経団連グリーンフォーラム」の第4期(2009年度)をスタートさせ、22日に東京・大手町の経団連会館で開講式を開催した。

開講式には、新メンバーとなる企業の部課長クラス29名のほか、チーフアドバイザーを務める大橋洋治・日本経団連副会長、アドバイザーの関島康雄・3Dラーニング・アソシエイツ代表、講師の隅田浩司・東京富士大学大学院経営学研究科准教授らが出席した。

冒頭のあいさつで大橋チーフアドバイザーは、「昨年の今ごろは米国でのサブプライム・ローン問題が表面化し始めたばかりだった。リーマン・ブラザーズが破綻した秋以降、日本経済が奈落の底に落ち、企業の業績悪化、非正規従業員を中心とした雇用問題が表面化した」と経営環境の急激な変化について指摘。「そのような状況にあっても、人材こそが最大の経営資源であるという企業の考え方に変わりはない。厳しい時代にこそ、次世代のリーダーをどう育成するかが企業の重要課題となる」と述べた。

また、航空業界で、一層の自由化や国際競争の激化が予想されることに触れ、「どの業界でも、企業間競争は激しく厳しいものとなっており、歴史や文化等の幅広い教養を兼ね備え、新しい時代に対応できる人材が求められている。グリーンフォーラムはグループワークを中心とした実践的なプログラムで構成されており、毎回の課題をこなすことも大変だと聞いているが、小さな積み重ねが大輪となって花開くのだと思う。最後まで頑張ってほしい」とメンバーを激励した。

次に、関島アドバイザーがあいさつし、「グリーンフォーラムはリーダーシップを発揮するために必要なスキルを順番に教えるプログラムとなっているが、習ったことを自ら咀嚼し、使っていくよう心がけなければ、成長にはつながらない」と強調。また、異なる専門性を持った仲間から学ぶことの重要性をメンバーに助言した。

講師陣を代表してあいさつした隅田講師は、「私の担当は交渉学である。この講座は講師と生徒といった関係ではなく、皆で意見交換をしながら進める形式となっている。私自身も皆さんから全力で学びたい。11月の講義を楽しみにしている」との希望を述べた。

昨年度の修了生である青山忠司・中日本高速道路横浜保全・サービスセンター所長と、柳川元宏・三井不動産商業施設本部運営推進グループ長は、それぞれ「プロフェッショナルとしてのコアスキルだけでなく、もっと深く『これからの人生をどうしていくか』について考えるきっかけとなった。この機会を与えられたことに感謝し、よい人間関係を構築してほしい」「仕事の延長以外での人脈を得て、悩みを分かち合えた経験は大きかった。可能な限り出席して、学ぶ機会を増やすよう勧めたい」と新メンバーにアドバイスした。

その後、第4期メンバーが自己紹介し、それぞれ今期グリーンフォーラムへの期待や抱負を語った。

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日本経団連グリーンフォーラムは、中核となる社員の育成を望む会員企業の声に応えて、2006年度にスタートしたもの。「プロフェッショナルのコアスキルを学ぶ」を総合テーマに、リーダーシップからプロジェクトマネジメントまで、各界の第一線で活躍する実務家・専門家を講師に迎え、組織や部門をリードできる人材の育成をめざす。第4期は、2回の合宿集中講座を含めて、来年3月まで毎月講座を実施する予定。

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