日本経団連タイムス No.2965 (2009年9月3日)

ポスト京都議定書の国連気候変動交渉について経産省と意見を交換

−国際環境戦略ワーキング・グループ


日本経団連の環境安全委員会国際環境戦略ワーキング・グループ(笹之内雅幸座長)は8月21日、東京・大手町の経団連会館で、経済産業省地球環境対策室の岡本晋課長補佐から、8月10〜14日、ドイツ・ボンにおいて開催された国連の気候変動交渉の模様について説明を受けるとともに、意見交換を行った。岡本課長補佐の説明の概要は以下のとおり。

京都議定書に代わる新たな議定書を議論している作業部会(AWG‐LCA)では、各国からの提案をほぼそのまま取り込んだ交渉テキストについて、次のバンコク会合に向けて整理する作業が行われたが、各国間の基本的立場の違い、とりわけ先進国と途上国の見解の開きに大きな変化はなかった。また、先進国の削減約束および行動と、途上国の削減行動については、2013年以降の枠組みの柱であるが、両者を統合して扱うべきとする米国・豪州・わが国等先進国側と、その性質の違いから分けて扱うべきとする途上国側の対立から、議論の進め方が決まらなかった。

京都議定書を延長することを前提に京都議定書の下での先進国の新たな義務を議論している作業部会(AWG‐KP)については、附属書1国全体の削減規模を先に決めるべきか否か、基準年をどこにとるべきか、先進国の約束の比較可能性をいかに確保すべきかといった基本的論点について、意見の収斂は見られなかった。

なお、非公式セミナーでは、2013年以降の枠組みの法的形式については、EUも一つの法的文書が望ましいとする立場を明らかにするなど、有益な意見交換が行われた。

わが国としては、COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)で、米中を含むすべての主要経済国が責任あるかたちで参加する実効性ある2013年以降の枠組みにつき合意することをめざし、引き続き積極的に交渉に貢献していく。

【環境本部】
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