日本経団連タイムス No.2966 (2009年9月10日)

九州社内報研究集会開く

−不況下の社内報づくり考える/日本経団連事業サービス社内広報センター



約40名が参加した九州社内報研究集会

日本経団連事業サービス社内広報センターは8月25日、福岡市内で九州各県の経営者協会と共催で「第30回九州社内報研究集会」を開催。同研究集会には、地元の福岡はもとより、九州各県から約40名が参加した。同研究集会は社内報編集の基礎を学ぶとともに参加者同士の交流を深める目的で、毎年福岡で開催している。

現在、企業の収益環境は依然として厳しい状況が続いており、多くの企業では全社的なレベルでコスト節減を実施している。社内報もその影響を受け、カラーページからモノクロページに、さらに減ページなど、社内報の予算が抑えられているところも目立つ。

そこで今回は、不況下で、いかに社内報編集の効率化を図り、内容の質を落とさずコストを抑えるかにポイントを置きつつ、編集の基礎を学んだ。また、参加者がグループに分かれ実際にインタビューを行い、それをもとに原稿を作成したり校正を行ったりするなどの実習も織り交ぜながら進められた。講師は戦略社内広報プランナーの橋口啓一氏。

「企業の期待」と「従業員が知りたいこと」を知らせる

まず橋口氏は、不況下の社内報づくりで一番大切なことは、業績の向上、情報共有による意識統一、従業員の連帯感・一体感の醸成などの「企業の期待」に応えるだけでなく、企業の業績や経営方針・事業計画、業界の動きなど、「従業員が知りたがっていること」に重点を置いて編集することであると述べ、大不況下にあっては「業績向上に貢献すること」が社内報の最大の役割になることを強調した。

社内報編集者は、「社内情報に精通することが命」であり、特に不況下にあっては「今、企業はどういう環境にあり、どういう状態で何を目指し、何をしようとしているのか」を常に把握しなければならないとした。また日ごろの心構えとして、(1)「通達」「会議録」などに必ず目を通す(2)自社に関するマスコミ記事をスクラップする(3)普段からできるだけ多くの従業員と接し、読者ニーズをつかむ(4)特定の協力者ネットワークを形成する(5)軽いフットワークでいつでも身軽に動く――の5つを挙げた。

一方、社内報編集の効率化については、電子メールの利用、DTP(デスクトップパブリッシング)ソフトの導入など、編集業務へのITの積極的活用を促した。

その後、情報収集法、企画の立て方、台割りのつくり方、見出し付け、原稿整理、文章作成など、編集全般を学んだ。

参加者から寄せられたアンケートには、「校正や記事作成の実習が取り入れられて、非常によかった」「各項目のポイントがわかりやすくまとめられていて、今後の参考になる」などの感想が寄せられ、大変好評だった。

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