日本経団連タイムス No.2972 (2009年10月29日)

デイヴィス英国防衛装備支援担当相と懇談

−日英の防衛産業政策で意見交換/デイヴィス担当相、防衛省との対話に意欲



前列左から3人目がデイヴィス担当相、同2人目が川井部会長

日本経団連は19日、東京・大手町の経団連会館で英国のクウェンティン・デイヴィス防衛装備支援担当大臣との懇談を開催した。日本経団連からは防衛生産委員会の川井昭陽総合部会長、市川雅也IFSEC(日米安全保障産業フォーラム)WG主査、岩崎啓一郎基本問題WG主査ほかが出席し、日英の防衛産業政策やわが国の次期戦闘機などについて意見交換を行った。概要は以下のとおり。

冒頭、デイヴィス担当相は、「英国と日本は政治や文化のみならず、防衛産業の面でも関係が深い。防衛は、二国間に潜在的需要があり、政策で協力できる分野である。2005年12月に『防衛産業戦略』を発表し、戦闘機やミサイルなど、自国で維持したい分野を明確にした。すべての戦闘装備の分野で、リベラルでオープンな市場志向の生産の考えを取り入れている」と述べた。

続いて、川井部会長が、「わが国では武器輸出について、ハードウェアだけでなく技術を含めたソフトウェアまで禁じられている。経団連は『わが国の防衛産業政策の確立に向けた提言』7月16日号既報)で、武器輸出三原則等を見直し、わが国が装備品の国際共同開発に参加できるよう求めた」と紹介した。これに対し、デイヴィス担当相は、「日本は高度な技術を持っており、最も安心できるパートナーである。両政府が同一の見解を有することが非常に重要である。日本は契約をしっかり守り、あまり問題は起きないと思う」「防衛省と英国国防省は良い関係であるが、具体的なプロジェクトが欠けていた。日本の航空自衛隊に欧州製の戦闘機を売却できれば、日本と英国の防衛協力の新しいフェーズが開ける」と述べ、英国やドイツ、イタリアなどが国際共同開発している「ユーロファイター・タイフーン」が日本の次期戦闘機として選定されることに期待を示した。川井部会長は、わが国では戦闘機の生産が途絶えている状態にあることを紹介したうえで、「日本ではタイフーンの具体的な性能などの情報が不十分なので、英国からの情報提供が必要である」と述べたところ、デイヴィス担当相は訪日中に防衛省と積極的に対話したいとの意欲を示した。

【産業技術本部】
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