日本経団連タイムス No.2985 (2010年2月18日)

韓国防衛産業振興会との懇談会開く

−韓国の防衛産業政策について説明聞き意見を交換


日本経団連は2日、東京・大手町の経団連会館で、韓国防衛産業振興会との懇談会を開催した。当日は、日本経団連防衛生産委員会基本問題ワーキング・グループの岩崎啓一郎主査が司会を務め、韓国防衛産業振興会の権顔都(クウォン・アムドゥ)副会長と梁文ファン(ヤン・ムンファン)課長から韓国の防衛産業政策について説明を聞き、意見交換を行った。会合の概要は次のとおり。

■ 権副会長の説明

日韓では、1965年に国交が正常化し、98年には日韓共同宣言が行われた。特に2008年に李明博大統領が就任してから、首脳間の交流が活発化している。
安全保障・国防分野では、1994年から毎年、韓国の国防大臣と日本の防衛大臣が交流している。昨年7月には、日韓での国防交流について署名がなされ、防衛大学校の学生の交流も行われている。
1989年から2002年まで日韓の防衛産業関係者の交流が行われていたが、現在は途絶えている。それを再開したいと思い、来日した。

■ 梁課長の説明

09年の韓国の国防予算は約300億ドルであり、政府予算の10%を占めている。対GDP比は2.79%であり、05年から毎年増加している。
防衛には92社が関わっており、425のシステムと1058の部品を生産している。92社の防衛部門の雇用者は2万3839人である。航空機や、艦艇、戦車等が主要な生産品目であり、サムソンや現代などのメーカーが製造している。
09年の韓国の防衛産業の輸出額は11.3億ドルで、05年の2.6憶ドルから大幅に伸びた。
韓国防衛産業振興会は、政府が指定する唯一の防衛産業協会であり、1976年に発足した。防衛や安全保障に関するコンサルテーション、国防関連のセミナーの開催、国産品の安定化や保証などのサービス提供、海外市場の開拓活動などを行っている。
また、防産協力委員会を通じてグローバルなネットワークを拡大しており、米国とは17回、インドとは昨年に初めての会議を開催している。2011年にはソウルでエアショーが開催されるので、参加してほしい。

武器輸出の基本原則など

■ 意見交換

「韓国には武器輸出の基本原則はあるのか」との質問に対し、権副会長は、「韓国は国際的なミサイル輸出管理レジームの規定に基づいて武器を輸出している。武器輸出の基本的な規定はあるが、外交通商部が審査する」と答えた。また、「日本と装備品を共同開発したいか」との質問に対しては、権副会長は「将来、日本の武器輸出三原則等が緩和されることを望んでいる。韓国の武器輸出のネットワークの経験を活かせば、良い協力ができると思う」と期待を示した。

【産業技術本部】
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