日本経団連タイムス No.2988 (2010年3月11日)

第4期日本経団連グリーンフォーラム合宿講座を開催

−コンビニ開店までのWBS作成/「100日プラン」の討議など


第4期日本経団連グリーンフォーラムの1年間の仕上げとなる
合宿講座ではプロジェクトマネジメントの指導などが行なわれた

次代の経営幹部候補を対象に、昨年5月に開講した第4期日本経団連グリーンフォーラムは2月26、27の両日、1年間の仕上げとなる合宿講座を行った。初日は、西村克己芝浦工業大学大学院客員教授が演習を交えプロジェクトマネジメントを指導。2日目はアドバイザーを務める関島康雄3Dラーニング・アソシエイツ代表が、参加者一人ひとりが作成した行動計画「100日プラン」について講評し、参加者はグループ討議のなかで、プランをさらに実現可能なものとする方法を確認した。

合宿初日のプロジェクトマネジメントでは、まず、西村講師がプロジェクト成功の条件や中核となる手法について解説。プロジェクトが「新しい構成員による臨時組織」であることから、立ち上げから終結までのライフサイクルを明確にすることがプロジェクト管理上の要点であるとし、計画の重要性や中間報告の必要性などについても指摘した。

さらに、プロジェクトを成功に結び付ける手法としてWBS( Work Breakdown Structure、作業分割構成 )を紹介。活動に必要な全作業を明確化し管理可能な単位にまで分割することで、(1)専門的努力を同時並行的に進めることができる(2)仕事の努力配分を最適化することができる――などの意義を示した。

講義後の演習ではグループに分かれ、「コンビニ開店までのWBS作成」に取り組んだ。各グループでは、事前準備から開店までの作業について、5月の開講以降の講座で学んだマーケティングやロジカルシンキング、プレゼンテーション、ファシリテーションなどのスキルを活用して、活発にブレーンストーミングを行い発表に備えた。

グループの成果について西村講師は、異業種・異職種のメンバーによる情報と知恵によって、概ねどのグループもモレなくダブりなくまとまっていると評価したが、開店にあたって「人生再スタートの決意」や「家族への相談」など、前提条件をしっかり確認することが大事であることを強調し、WBS作成について「汗の量をいかに知恵で減らすか」という作業であると述べた。

合宿2日目は、メンバーが作成した行動計画「100日プラン」について、グループ討議を行った。100日プランは、3月19日の修了式の翌日を起点とするもので、これまでの全講座を振り返り、自分の強みや弱みを確認したうえで目標を定め作成。100日に至る第1日、第1週、30日以内、60日以内、99日、そして100日と、それぞれなすべきことを、実行を担保する工夫や方法を示し具体的なプランを立てる。

討議に加わった関島アドバイザーはメンバー作成の100日プランについて、実行を担保する方法が十分であるか、人事異動・転勤があっても追求できる目標なのかをいま一度確認すると同時に、100日プランを達成してどれほどうれしいのか、可能性がどのくらいあるのかポジティブに考えて「自分を元気づけるために、自分のイメージする物語の主人公になってほしい」と述べた。

今回の討議で得られたアドバイスや指摘を踏まえ、メンバーは100日プランを練り直し最終報告として提出する。

第4期日本経団連グリーンフォーラムメンバーは3月19日に行われる修了式に臨み全課程を終了する。

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日本経団連グリーンフォーラムは、リーダーシップやコーチング、プロジェクトマネジメント、説得力・交渉力、プレゼンテーション、ファシリテーション、ロジカルシンキング、マーケティングなど、経営幹部に求められるコアスキルを、演習を中心に学ぶもの。今年度に続き、2010年度第5期も大橋洋治全日本空輸会長をチーフアドバイザーに、関島氏のほか大久保幸夫・リクルートワークス研究所所長がアドバイザーを務める。開講は5月26日の予定。
日本経団連グリーンフォーラムに関する問い合わせは日本経団連事業サービス研修担当(03‐6741‐0042)まで。

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