日本経団連タイムス No.2989 (2010年3月18日)

ラオスへの投資拡大で意見交換

−チュンマリー・ラオス国家主席と御手洗会長が懇談


日本経団連は2日、日本商工会議所とともに、東京・大手町の経団連会館で、日ラオス外交関係樹立55周年に際し来日したラオス人民民主共和国のチュンマリー・サイニャソーン国家主席を歓迎し、昼食懇談会を開催した。懇談会には、御手洗冨士夫会長をはじめ日本経団連首脳と日本商工会議所の岡村正会頭の7名が出席し、ラオス経済の現状や日本企業の投資拡大に向けた政策について聞くとともに、意見交換を行った。

ラオス経済の現状など昼食懇談会開催し聞く

チュンマリー国家主席との昼食懇談会であいさつする御手洗会長

■ ラオスはメコンの要衝

懇談会の冒頭、御手洗会長は、アジアの持続的な成長を実現していくうえで、メコン地域の発展がカギであり、ラオスは地域の要衝として期待されていると述べた。また、今後、交通、物流インフラの整備で、コネクティビティー(連結性)を強化し、投資環境の改善を進めることで、ラオスのポテンシャルが顕在化するとの見解を示した。

一方、チュンマリー国家主席は、ラオスの経済状況について、2010年は7%以上の経済成長を見込んでおり、経済危機の影響は残っていないと説明。当面の経済政策として、農業・鉱業・サービスの近代化、国内外の投資自由化とともに、農村開発や教育、保健分野への取り組み、貧困削減にも注力していると述べた。さらに、国連ミレニアム開発目標の達成や、2020年までに後発開発途上国から脱却するという中長期的な目標の達成に意欲を見せた。

懇談の席上、日本側から、ラオスへの資源開発投資や事業展開に関する具体的な紹介を行い、今後の協力分野等について意見交換を行った。チュンマリー国家主席は、各国の企業は積極的に進出しつつあり日本企業にも期待していると述べ、「永年にわたる日本との友好関係を基に、経済交流や文化交流を一層深めていきたい。ぜひラオスを訪問して直に見てほしい」と締めくくった。

【国際協力本部】
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