日本経団連タイムス No.2990 (2010年3月25日)

バセスク・ルーマニア大統領と懇談

−エネルギー関連プロジェクトへの日本企業参加を期待


わが国政府の招待により来日したトライアン・バセスク・ルーマニア大統領は11日、東京都内のホテルで、日本経団連ヨーロッパ地域委員会の横山進一共同委員長、小林喜光共同委員長と懇談した。バセスク大統領の発言概要は次のとおり。

バセスク・ルーマニア大統領(右から3人目)
写真提供:ルーマニア大統領府

ルーマニアの市場経済への体制転換にあたり、日本政府から受けた支援に感謝する。また、日本企業も経済の近代化に大きな役割を果たしており、引き続きルーマニアへの投資を歓迎する。高い成長を遂げてきた経済も、2009年はマイナス成長に陥ったが、2010年は再びプラスに転じると予測されており、銀行部門も健全である。

ルーマニアを通過するナブッコ・ガスパイプライン・プロジェクトへの日本企業の参加を期待する。そのほかにも、コンスタンツァ港におけるLNGターミナルの建設、コンスタンツァ・トリエステ間石油パイプラインの敷設等、現在進行中のエネルギー関連プロジェクトが複数あり、技術力に優れた日本企業に参加してもらいたい。

古くからのEU加盟国とルーマニアのような新規加盟国との間の技術力の差は大きく、この差を埋めるためには海外からの投資が必要である。ルーマニアは2015年までの間、EUから総額320億ユーロの資金供給を受けることになっており、交通インフラの整備はじめ幅広い分野で使われる予定である。ルーマニアに投資する企業はこの資金を活用することが可能であり、また、ルーマニアを通じて巨大なEU市場へのアクセスを得ることができる。

【国際経済本部】
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