日本経団連タイムス No.2995 (2010年4月29日)

フック・ベトナム計画投資相と懇談

−投資環境整備などで意見交換


フック計画投資相(右)と握手する御手洗会長

日本経団連は15日、東京・大手町の経団連会館で、御手洗冨士夫会長出席のもと、ヴォー・ホン・フック・ベトナム計画投資大臣との懇談会を開催し、ベトナムにおける投資環境の整備等について活発な意見交換を行った。

■ 御手洗会長発言

昨年12月にミッションでベトナムを訪問した際、経済の回復が順調に進んでいることを実感した。ベトナム経済の回復基調を確実なものとするためにも、インフラ整備等の面で協力させていただきたい。ズン首相による高速鉄道、高速道路、都市交通等のプロジェクトでの協力の提案については、官民連携(PPP、Public Private Partnership)で対応したい。日本経団連では、PPP案件の推進のためにODAを柔軟に活用できるよう、制度の抜本的見直しを日本政府に対し提案している。

PPPの推進には、民間の参画の前提となる投資環境の整備が課題である。この点では「日越共同イニシアティブ」が重要な役割を果たしており、今年末の第3フェーズの最終評価に向け、取り組みが強化されることを期待している。

■ フック大臣発言

ベトナム経済は危機を乗り越え、回復基調にある。現在、2011〜20年の10カ年計画を策定中である。(1)市場経済体制の構築(2)人材育成(3)インフラ整備――がその柱であり、年率7.8〜8.0%程度の経済成長を想定している。

大規模インフラ整備には民間の資金が不可欠であり、官民連携によって国内、国外の投資家の資金を誘致したい。そこで計画投資省では、PPPのスキームづくりを進めている。現在、試験的プロジェクトを計画しており、フエからダナンを通りクァンガイに至る道路の整備や、ハイフォン港の拡張事業等が含まれている。

対ベトナムODA供与額は日本が1位である。また、対ベトナム直接投資額も日本がトップである。日本企業にPPP案件への投資を期待しており、ベトナム政府の資金やODA資金を投入し、バックアップしたい。「日越共同イニシアティブ」第3フェーズの最終評価が今年末に予定されており、その成果の活用を通じて、対ベトナム投資が拡大することを期待している。

【国際協力本部】
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