日本経団連は昨年に続き、7月から7回にわたって「日本経団連エグゼクティブ法務戦略セミナー」を開講する。企業経営を取り巻く法制度が目まぐるしく改正されるなか、役員が担う法的義務と責任が一段と重くなっていることを受けて、役員が知っておくべき経営法務の知識と戦略的活用について詳細な解説と意見交換などを行う。講師は森・濱田松本法律事務所所属弁護士が務める。
会社法については、今年に入って独立役員導入・議決権行使結果開示などガバナンス強化の動きにはじまり、いわゆる公開会社法案といった各方面の動きを念頭に、見直しの議論が法制審議会で始まった。また、独占禁止法に関しても昨年の改正に続き、審判制度の廃止を中心とする独禁法手続きの抜本的見直しを内容とする改正法案が国会に提出されている。
こうした動きを受け同セミナーでは、新しい法制度へいち早く対応し、新たなビジネスへと結び付けていくために、役員が知っておくべき経営法務の知識とその戦略的活用について、最新の法改正の動向を踏まえ、各回1つのテーマを経営的観点・実務的観点から詳細に解説する。あわせて意見交換なども行う。
テーマ・内容と講師は(1)〜(7)の予定である。
- (1)ガバナンス
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コーポレートガバナンスに関する議論の整理、コーポレートガバナンスの問題を経営戦略として活用する方策等
(菊地伸弁護士)
- (2)金融
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サブプライム・ローン問題の原因と金融規制の関係、証券化商品のリスクがわが国の金融機関に与えた影響、金融規制の強化の動き、上場会社規制への影響等
(野村修也中央大学法科大学院教授・弁護士)
- (3)知的財産権
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講義時点までに明らかになっている情報を前提に、日本の知的財産戦略の動向と企業の対応について検討
(野口祐子弁護士)
- (4)独占禁止法
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最新の独禁法の法執行および実務の動向を紹介するとともに、近時の環境下における企業戦略構築のあり方を探る
(伊藤憲二弁護士)
- (5)消費者政策
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消費者庁および消費者委員会の発足によって何が変わったのか、企業はどう対応すべきか等をリスクマネジメントの観点から検討。現在検討されている消費者による集団的損害賠償請求制度についても解説
(三好豊弁護士)
- (6)訴訟
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注目の国内判例・裁判例、国内民事訴訟対策のポイント、ADRの活用法、米国民事訴訟対策のポイント、危機対応等
(関戸麦弁護士)
- (7)M&A
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一連のルール・裁判例に関する最新の動向とその根底にある価値判断、今後のM&Aを巡るルールの変容、現実にM&Aを遂行するにあたって留意すべき事項等
(棚橋元弁護士)
セミナーの日程等は次のとおり。
- ◇ 日程
- 第1回=7月7日(水)、第2回=7月29日(木)、第3回=8月25日(水)、第4回=9月16日(木)、
第5回=10月12日(火)、第6回=11月4日(木)、第7回=12月1日(水)、いずれも14時〜17時
- ◇ 会場
- 経団連会館(東京・大手町)
- ◇ 対象
- 日本経団連会員企業の役員・部長クラス(代理出席可)
- ◇ 参加費
- 全7回参加=15万7500円(全7回一括)/1回参加=2万6250円(各回)
- ◇ 申し込み・問い合わせ先
- 日本経団連事業サービス研修グループ(電話03‐6741‐0042)