日本経団連タイムス No.2998 (2010年5月27日)

御手洗会長記者会見

−4年間の任期振り返り所感


記者会見する御手洗会長

日本経団連の御手洗冨士夫会長は20日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

御手洗会長は、4年間の任期について、「経団連会長の責任と役割の大きさを実感する毎日であった。多くの方々のご協力とご支援をいただき、重責を全うすることができた。私の任期の4年間は、政治、経済ともに激動の時代であった」と振り返った。経済では世界同時不況に見舞われ、景気の底割れを防ぐべく全力を尽くしたことや、G8ビジネス・サミットを通じて各国首脳に具体的な働きかけを行ったことに言及。また、アジア・ビジネス・サミットの開催や中国へのハイレベルミッションの派遣などにより、「アジア各国との連携を強化する観点からも、民間外交を推進し、成果を挙げることができた」と語った。

残された課題としては、まず、税・財政・社会保障制度の一体改革を挙げた。さらに、「諸外国に先駆けて少子・高齢化が進行する一方で、危機的な財政を抱える日本が国際競争を勝ち抜くためには、成長戦略の着実な実行が欠かせない」と指摘。米倉弘昌次期会長には、この2点について、リーダーシップを発揮してほしいとの期待を示した。

第1四半期のGDPについて問われた御手洗会長は、「2010年第1四半期のGDPは前期比年率4.9%と、4四半期連続でプラス成長となった。この背景には、アジア向けを中心として輸出が伸びたこと、経済対策によって個人消費が堅調に推移したことがある」と述べた。ただし、ギリシャ財政危機に端を発する金融不安からユーロ安・円高が長引けば、景気に悪影響を与えるとの懸念を示した。また、「わが国経済を自律回復へと結び付けていくには、成長戦略の早期実行が求められる」と、成長戦略の重要性を改めて強調した。

【社会広報本部】
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