日本経団連タイムス No.3001 (2010年6月17日)

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けた提言を公表

−経済界にとり関心高いテーマで


日本経団連は15日、「生物多様性の保全と持続可能な利用をめざして〜生物多様性条約第10回締約国会議の成功に向けた提言」を公表した。同提言は、今年10月、名古屋で開催予定の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けて、同会議で議論される経済界にとって関心の高いテーマについて、経済界の考え方を取りまとめたものである。
提言の概要は次のとおり。

■ 企業の取り組みを推進

2009年3月に発表した「日本経団連生物多様性宣言」に基づき、自然や生態系に関する科学的知見、データ等が十分でないなかでも、生物多様性の保全と持続可能な利用に資する活動に、企業をはじめとする経済界は積極的に貢献する。具体的には、(1)多様で自主的な取り組みと検証(PDCAサイクル)(2)具体的で実効性ある取り組み(3)自然と共生する経営と技術力の活用(4)多様な主体との連携(5)社会全体の認識向上――に積極的に取り組んでいく。

■ 議長国としての政府への期待

COP10では、科学的知見に基づいて、生物多様性保全と経済との調和を図ることを基本として、次の内容について合意すべき。(1)柔軟で現実的な目標設定(2)生物多様性に関する科学的知見・データの整備・充実(3)生物多様性の具体的な保全活動を推進する仕組みの整備(4)企業等が、多様で創造性あふれた取り組みを自発的に行いやすい環境整備(5)生物多様性オフセット等については、有効性検討の前提条件である科学的知見やデータ整備を優先すること――である。

■ 民間参画イニシアティブ」の立ち上げ

日本経団連は5月25日、日本商工会議所、経済同友会と共同で、「生物多様性民間参画イニシアティブ」を立ち上げた。これは、実質的に「日本経団連生物多様性宣言」の趣旨に賛同し、それに沿った活動を行う意思のある事業者の参加を幅広く募り、経済団体・NGO・研究者・公的機関等の関係者も交えて、情報共有・経験交流を図る枠組みである。「生物多様性宣言推進パートナーズ」の参加企業は、同イニシアティブにも自動的に参加する取り扱いとなる。日本経団連としては、このような枠組みを通じて、各企業による生物多様性への取り組みが一層推進され、生物多様性に配慮した社会の実現に少しでも近づくよう、取り組んでいく。

◇◇◇

提言の全文は、日本経団連のホームページ(URL=http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/053.html)に掲載。

【環境本部、経団連自然保護協議会】
Copyright © Nippon Keidanren