日本経団連タイムス No.3002 (2010年6月24日)

経営幹部養成講座第21期「日本経団連フォーラム21」が開講

−未来企業のリーダーシップ学ぶ


あいさつする米倉チーフアドバイザー

日本経団連事業サービス(米倉弘昌会長)は、戦略思考で変革を推進できる経営人材の育成を目指す年間研修講座「日本経団連フォーラム21」をスタートさせ、第21期開講式を3日、東京・大手町の経団連会館で開催した。開講式には、新メンバーとなる27名のほか、チーフアドバイザーを務める米倉日本経団連会長・住友化学会長、アドバイザーの茂木賢三郎キッコーマン相談役、同フォーラムの修了生代表らが出席した。

冒頭あいさつした米倉チーフアドバイザーは、自らが会長を務める住友化学の基本理念である「自利利他 公私一如」という言葉を紹介し、「これは、『事業は、自社の発展のみではなく国家・社会にも貢献するものでなければならない』との意味であり、今でいう企業の社会的責任(CSR)の基本的な考え方と相通じるもの」と説明。また、将来、世界経済は回復して成長軌道に戻るとの見方を示し、「そのときのために、経営者は、新しい社会がどのようになるか、どのような技術や製品が必要になるかを常に考え、先取りして対応していかなければならない」とした。また、日本経団連会長就任時のあいさつのなかで“今こそ経営者は自信を持とう”と訴えたことに触れ、「経営リーダーを目指す皆さまにもこの言葉を贈りたい。一人ひとりが、日本経済の成長をリードしていくのだという、自信と気概を持って取り組んでほしい」とメンバーを励ました。

次に、茂木アドバイザーが、同フォーラムが20年以上続いていることについて、「修了者や派遣企業から評価の高い研修であり、リピート率も高い。また、経営実務にとどまらず、哲学的な内容やビジョンに関わるテーマも多く取り上げる。各企業、また日本経済の牽引役となっていく方々にふさわしい内容が評価されているのだと思う」と述べた。

続いて、修了生代表として、第19期の早川佐知子・NYK Line Japan統轄本部副本部長と、第20期の板東冠治・日本ハム執行役員が登壇。早川氏は、「経験と実績において一流の講師の話を直接聞くことや、幅広い業種の方々との人間関係を深めることができる」と同フォーラムを紹介した。また、板東氏は、「ここでの学びが、自分が世の中をみる際の新たな物差しを培ってくれた。政治をはじめとするさまざまな社会の動きを理解するうえで役に立っている」と語った。

最後に、第21期参加メンバーが自己紹介を兼ねて抱負を述べ、「現在、成長戦略の実行、人材多様化のなかでの組織力の拡大が課題になっている。ここでヒントが見つけられるように頑張りたい」「講師やメンバーとの交流を楽しみにしている。交流を通じて研鑽を積みたい」などの期待を語った。

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第21期講座の総合テーマは「未来企業のリーダーシップを学ぶ。」。米倉会長がチーフアドバイザー、茂木氏に加え寺島実郎・三井物産戦略研究所会長、山内昌之・東京大学大学院総合文化研究科教授がアドバイザーを務める。

来年3月までの約1年間、経営戦略のみならず、国際関係、歴史、政治・経済・社会問題など広範な分野について、各界の第一人者の講演を聴取しメンバー間での討議を毎月行うほか、洋上での合宿研修、海外視察などを実施する。

同フォーラムに関する問い合わせは、日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

【日本経団連事業サービス】
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