日本経団連タイムス No.3004 (2010年7月8日)

キャリアデザインテーマに初回講座

−日本経団連グリーンフォーラム


組織や部門をリードできるプロ人材の育成を目的に5月に開講した第5期「日本経団連グリーンフォーラム」(チーフアドバイザー=大橋洋治日本経団連副会長、全日本空輸会長)が6月29日、今期の講座をスタートさせた。初回となる6月講座はキャリアデザインがテーマ。大久保幸夫リクルートワークス研究所長(グリーンフォーラムアドバイザー)を講師に、プロフェッショナルへの道を探るとともに、全員がキャリアの5カ年イメージを作成し発表した。

講座ではまず大久保講師が、キャリアを考える意味について言及。会社と自分をいったん分けて、何が得意か、何がやりたいのか自分自身に問いかけてみることによって、より納得感のある職業生活を送ることができることなどを示した。

さらに、同フォーラムメンバーにも該当するミドルの時期が、成長の停滞リスクの高い危機の期間であると指摘。「ミドルという節目に立ち止まって、自分の価値観を確認しつつ次の成長目標を描かなければ成長はない」と、キャリアデザインの必要性を強調した。

その後のグループワークを前に、人材の理想モデルとなるプロフェッショナルへの道について考察。真のプロフェッショナルが「専門性」と「リーダーシップ」をあわせ持つ人材であり、「変革・創造」を仕事とするイノベーターであることなどを確認した。

これらのアドバイスをもとにメンバーは、才能、価値観、基礎力、ビジョン、専門力、家族の支援、会社の協力、戦略などの項目について具体的にキャリアマップに書き込み、全員の前で一人ずつ5カ年ビジョンを明らかにした。

メンバーの前で声に出して語ることについて大久保講師は、「人前で語るということは相手に整合的に伝えようとする本能。それがつまりは自分に言い聞かせること、自分の心に届くことである」とし、「明言することによって漠然としていた道筋がより鮮明になり、自分自身をその気にさせることができる」と述べた。

メンバーの5カ年ビジョン報告を受けて大久保講師は、キャリアデザインの大きな要素となる家族や会社から得られる協力・支援について、「日ごろ話し合っていないことに気づくはず」と指摘。会社や家族が求めているものを、自分の思い込みで決めつけていないかどうか再考を促し、改めて、節目にしっかりキャリアデザインする意義を強調した。

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次回7月講座は1泊2日の合宿講座。初日は関島康雄アドバイザー(3Dラーニング・アソシエイツ代表)が、リーダーシップをテーマにグループワークを交え指導、2日目は菅野誠二ボナ・ヴィータ代表が、多くの事例とともにマーケティングを指導する。
8月以降は、コーチング、ロジカル・コミュニケーション、ファシリテーション、交渉術、プレゼンテーション、プロジェクトマネジメントなど、仕事力を支えるコアスキルを幅広く学ぶ。
日本経団連グリーンフォーラムに関する問い合わせは日本経団連事業サービス(電話03‐6741‐0042)まで。

【日本経団連事業サービス】
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