日本経団連タイムス No.3008 (2010年8月5日)

スリランカへの投資拡大で意見交換

−ラージャパクサ経済開発相、ピーリス外相と


日本経団連は7月29日、東京・大手町の経団連会館で、来日したスリランカ民主社会主義共和国のバジル・ラージャパクサ経済開発大臣とG・L・ピーリス外務大臣を招き、同国の政治・経済の現状と日本企業の投資拡大のための政策について聞くとともに、意見交換を行った。

国内政治安定などを強調

ピーリス外務大臣は、今年1月のマヒンダ・ラージャパクサ大統領の再選に続き、4月の総選挙でも大統領が率いる与党が議会定数の3分の2近くを獲得したことなどを紹介し、国内政治が安定し、投資環境の改善が進んでいることを説明した。

続いて、日本のODAによる橋梁、水力発電所、送電線網の整備や、病院建設などへの協力に対する感謝とともに、今後2年間で2000メガワットの発電能力を拡大する計画への日本企業の積極的な参画に対する期待が述べられた。

続いて、ラージャパクサ経済開発大臣は、一時多数進出していた日本企業の同国への回帰を期待していると述べ、投資の重点分野が、発電、エネルギー分野であると明らかにし、製造業、農林水産業、観光業、レジャー産業も有望であると述べた。また、日本への輸出拡大も視野に入れ、裾野産業となる中小企業の育成を強化し、日本企業の製造拠点の誘致を推進したいとの見解を示した。さらに、ホテル業をはじめとする観光産業への投資誘致にも力を入れ、日本人観光客も増やしていきたいと述べた。

最後に、ピーリス外務大臣が、エビ、マグロをはじめとする魚介類、セイロン茶、有機栽培野菜、宝石などの代表的なスリランカの産品の貿易拡大の可能性に言及し、これらの分野で多くの日本企業に投資を増やしてほしいと締めくくった。

【国際協力本部】
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