日本経団連タイムス No.3009 (2010年8月12日)

民主党首脳と意見交換

−継続的な政策対話の必要性で合意/米倉会長「超党派協議の仕組みを」


日本経団連(米倉弘昌会長)は5日、都内のホテルで民主党首脳を招き、当面の重要政策課題等をめぐり意見交換した。会合には民主党から、枝野幸男幹事長、輿石東参議院議員会長、玄葉光一郎政策調査会長、樽床伸二国会対策委員長、柳田稔参議院幹事長、細野豪志幹事長代理・企業団体対策委員長、羽田雄一郎参議院国会対策委員長が出席。日本経団連から、米倉会長、渡文明評議員会議長ら18名が参加した。

発言する米倉会長(左)と枝野民主党幹事長

開会あいさつで米倉会長は、「民間活力による日本経済の再生が経団連の最優先課題であり、未来型モデル都市の構築を柱とする『サンライズ・レポート(仮称)』を年内にも取りまとめる」と述べるとともに、「税・財政・社会保障の一体改革は待ったなしの最重要課題だ。政治の責任として、早急に超党派協議の仕組みをつくり、国民のための議論を進めてほしい」と述べた。

続いてあいさつに立った枝野幹事長は、「民主党が目指す『国民の生活が第一』の政治と経団連の『豊かで活力ある国民生活の実現』という基本理念は軌を一にしている」「経団連と一緒に強い経済・強い財政・強い社会保障を実現し、元気な日本を復活させたい」と述べた。

その後の意見交換において、森田富治郎副会長は社会保障制度の再構築と財政健全化の観点からの税体系の抜本改革を要望するとともに、デフレ脱却に向けた政府の「新成長戦略」の速やかな実施を求めた。これに対し玄葉政調会長は、パッケージ型のインフラ輸出など「新成長戦略に盛り込まれた21のプロジェクトは必ず実現する」との決意を表明。加えて、「消費税を含む税制改革は不可避」としたうえで、「秋口から税・財政・社会保障の一体改革について、党で議論を進めていく」と発言した。

一方、地球温暖化問題については、坂根正弘副会長が、固定価格買取制度、排出量取引、環境税については、十分議論することが不可欠と述べたうえで、民主党と経済界とが意見交換する場の設置を提案した。これを受け、樽床国対委員長は、「日本に合った仕組みを考えるべきだ。政府与党と経済界とがよく話し合うことが重要だ」と応じた。

さらに樽床国対委員長は、衆参の「ねじれ」の現状について、「ねじれを前提とした国会運営のあり方を考えていく必要がある。今の状況をピンチではなく、新しい国会論議や政治主導の仕組みをつくるチャンスととらえたい」と述べた。

最後に、日本経団連と民主党は、今後とも頻繁にテーマ別の政策対話を行っていくことなどに合意した。

【政治社会本部】
Copyright © Nippon Keidanren