日本経団連タイムス No.3010 (2010年8月26日)

「ベトナム投資フォーラム」開催

−PPPスキームなどめぐりベトナムの官民代表と議論


日本経団連は4日、東京・大手町の経団連会館で、ベトナム計画投資省とともに「ベトナム投資フォーラム」を開催した。ベトナムからはダン・フイ・ドン計画投資副大臣、グエン・フー・ビン駐日大使をはじめ、各省庁および経済界の関係者が出席し、インフラ整備推進のために現在ベトナムで導入に向けた手続きが進められている新しい官民パートナーシップ(PPP)スキームについて、具体的案件とともに紹介した。日本経団連からは、日本ベトナム経済委員会の加藤進共同委員長、高橋恭平共同委員長をはじめ、200名余りが参加した。
ドン計画投資副大臣の講演概要は次のとおり。


ベトナムは2020年までに近代的工業国となることを目指しており、そのためにはインフラ整備に年間150億米ドルが必要である。しかし、現状ではその半分しか手当てできておらず、そのほとんどは国家予算からの支出および国債による調達である。そこで、民間投資が経済インフラ整備事業に積極的に振り向けられるよう、PPPスキームに関する法整備や促進策の策定を進めている。インフラ整備事業はリスクが高く、収益性が低いことから、新しいスキームは官民がリスクをシェアすることで収益性を高め、民間投資を呼び込むことを目指している。今後、PPPスキームを活用するパイロット事業を展開することにしている。

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フォーラムではこのほか、グエン・タィン・ハン交通運輸省計画投資副局長、グエン・ティ・バイ・ハノイ市計画投資副局長、グエン・チエン・ティン・ホーチミン市人民委員会副委員長から、交通分野や大都市整備における資金需要と計画中のPPPプロジェクトについて紹介があった。また、ダン・タィン・タム・サイゴン・インベストメント・グループ会長/ベトナム日本ビジネスフォーラム理事長は、民間から見たベトナム投資の魅力を紹介した。

全体会議終了後は、(1)港湾、鉄道、都市交通(2)電力(3)大都市の水供給、上下水道、ゴミ処理――の3つの分科会に分かれ、案件ごとの計画、収益性、政府の支援策等について活発な質疑応答が行われた。

【国際協力本部】
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