日本経団連タイムス No.3016 (2010年10月14日)

米倉会長記者会見

−円高の進行や生物多様性など


日本経団連の米倉弘昌会長は12日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

円高の進行について米倉会長は、「米国経済の先行きに不透明感が増しており、一段の金融緩和がなされるとの予測からドル安が進んでいる」と指摘。「日本企業にとって、今の水準はとび抜けて高い」と述べ、特に製造業の業績や輸出競争力に与える影響に懸念を示した。また、政府・日銀に対しては、「為替市場への介入を含む財政・金融政策を機動的に行うとともに、経済の自律回復に向けて新成長戦略の実現に取り組んでもらいたい」との期待を表明した。

新卒者の採用選考時期に関する問題提起については、経団連で従来採用選考に関わる倫理憲章を定めていることや、今年は1カ月前倒して公表したことに言及。また、卒業後3年までは新卒扱いとするとの議論に関連し、留学などさまざまな経験を積み、自らの価値を高める努力をすることも一案との考えを示した。

生物多様性については、生物多様性を維持し、持続可能なものとする事業活動の実現に向けた取り組みに賛意を示したうえで、「経団連としても、自然保護協議会や自然保護基金の活動を通じ、企業等への啓発活動や個別プロジェクトの支援を実施している」と述べた。

【社会広報本部】
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