日本経団連タイムス No.3017 (2010年10月21日)

「新しい公共」今後の展開聞く

−内閣府担当官から、意見交換も/社会貢献推進委員会


日本経団連は8日、東京・大手町の経団連会館で社会貢献推進委員会(古賀信行共同委員長、佐藤正敏共同委員長)を開催し、内閣府の山内健生大臣官房審議官から「新しい公共」に関する今後の施策について説明を受けると同時に、意見交換を行った。

冒頭、山内審議官は会合直前に閣議決定された緊急経済対策に「新しい公共」関連予算が盛り込まれたことに触れ、経済や財政にも影響する施策であることを指摘した。また、行政以外も世のため人のための活動を担うという「新しい公共」の考え方は全く新しいものではないと、近江商人の「三方よし」の理念などに触れつつ、かつて地域コミュニティーが住民の暮らしを支えていた「懐かしい公共」に通じるものがあると説明した。

さらに、総額で3200億円に上る2011年度の各府省の「新しい公共」関連予算要望が紹介された。このうち、内閣府にかかわるものとしては「『新しい公共』円卓会議」の後継機関の設置や、「新しい公共」支援事業としてつなぎ融資や債務保証、ノウハウの伝授等により地域NPOを支援する仕組みが盛り込まれている。

そのうえで、これらの取り組みによって、すべての人に居場所と出番のある社会づくりを目指すとともに、きめ細かいサービスの提供を通じた経済成長、結果としての歳出削減にまで結び付けたいと展望を示した。

意見交換では、別途存在する「社会的責任に関する円卓会議」と予算との関係について質問が出された。これに対し、社会的責任に関する円卓会議から、マルチステークホルダーの協働によるさまざまな取り組みを全国実施で行う提案がなされた場合、「新しい公共」支援事業予算の一部を活用できるとの回答があった。

また、意見交換終了後、経団連と1%クラブで実施した2009年度社会貢献実績調査の結果が承認された。

【政治社会本部】
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