日本経団連タイムス No.3023 (2010年12月2日)

ファイヤード・パレスチナ暫定自治政府首相と懇談

−ファイヤード首相、対日経済関係拡大を期待


日本経団連の竹内敬介日本アルジェリア経済委員長は11月26日、外務省の招待で来日したサラーム・ファイヤード・パレスチナ暫定自治政府首相を訪問し、懇談した。
席上、ファイヤード首相から、二国間経済関係の拡大と、わが国企業による対パレスチナ投資への強い要望が寄せられた。
ファイヤード首相の発言要旨は次のとおり。

◇◇◇

日本との貿易・投資を推進していきたい。特に、日本企業の投資を誘致していくために何ができるかを考えている。例えば、二国間のビジネス協力を促進する枠組みを構築したい。

ヨルダン川西岸地区の経済は安定している。政府は基本的な法制度を整備し、経済活動を規制することはない。民間に任せている。資本の移動は自由であり、法人税も低い。銀行制度や資本市場も整備され、効率的に機能しており、経済活動に良好な環境を用意している。

希望投資誘致分野としては、石油精製工場やセメント工場を挙げたい。また、ヨルダン川渓谷ではデーツやオリーブがとれることから、これを利用する食品加工業や観光業も有望である。そして、これら産業を支える海水淡水化を含む水資源事業と発電事業も重要である。

また、すでに国際競争力を持つ産業としては、石材加工や製薬、IT分野がある。

日本政府のODAや中東和平支援には感謝している。これからは対日経済関係を拡大していきたい。12月10日からチュニジアで開催される第2回日本アラブ経済フォーラムには、パレスチナの経済人や暫定自治政府の閣僚も参加するので、よい議論ができることを期待している。

【国際協力本部】
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