日本経団連タイムス No.3023 (2010年12月2日)

不法投棄等の支障除去等基金に関する説明会開催

−10年度の産業界からの資金協力について要請


日本経団連は11月24日、東京・大手町の経団連会館で「不法投棄等の支障除去等基金に関する説明会」を開催した。説明会では、環境省廃棄物・リサイクル対策部適正処理・不法投棄対策室の吉田一博室長から、不法投棄等の現状と対策、今後の同基金による支障除去等事業への支援の見通しについて説明があったほか、2010年度の産業界からの資金協力について要請があった。吉田室長の説明概要は次のとおり。

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不法投棄等の新規判明数は近年減少傾向にあるが、残存事案については依然として2500件程度あり、新たな生活環境の保全上の支障が生じる可能性が否定できない状況にある。残念ながら不法投棄等をゼロにするのは難しく、環境省として同基金は引き続き必要であると考えている。今年度以降3年間は現行の支援スキームを継続するが、2013年度以降は新たな枠組みに移行する予定で、来春までには具体案を示したい。

また、基金に対して、都道府県等から支援要請のあった15事案に対する支援必要額を試算したところ、昨年度と同額程度の積み増しが3年間あると仮定した場合でも、すべての事案に対しての支援は困難な状況にある。したがって、今年度については、厳しい経済状況下ではあるが、社会貢献の一環として昨年度と同額程度の出えんを産業界にお願いしたい。

<不法投棄等の支障除去等基金について>

同基金は、1997年の廃棄物処理法の改正により制度化された。産業廃棄物の不法投棄等に起因する支障等について、その実行者が不明あるいは資力不足であることを理由に、都道府県等が行政代執行により支障除去等の措置を行う場合、総事業費の4分の3の財政支援を行う。総事業費のうち、2分の1を民間が、残りの4分の1ずつを国と都道府県等が負担している。

経団連は厚生省(当時)の要請を受け、1998年度より同基金に資金協力しており、2001年度までは企業の「社会的責任」の観点から、2002年度以降は、「社会貢献」の一環として協力を継続してきた。

【環境本部】
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