日本経団連タイムス No.3024 (2010年12月14日)

米倉会長記者会見


日本経団連の米倉弘昌会長は6日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

同日公表された「サンライズ・レポート」について米倉会長は、まず、「企業が元気になり、経済が成長して初めて、国民生活の向上や雇用の創出、持続可能な社会保障制度の確立が可能になる。グローバル化が進展するなかで日本経済が持続的な成長を遂げていくには、国際競争力の強化が不可欠である」と指摘。そうした観点から「サンライズ・レポート」を取りまとめ、3つの分野で22の具体的プロジェクトを掲げたことを紹介した。さらに、(1)20万〜30万人規模の都市を中心に検討している「未来都市モデルプロジェクト」では既にアプローチを開始していること(2)対象地域に企業の最先端技術を持ち込み、実証実験を行っていく予定であること(3)成果はパッケージとして、国内外に展開していく予定であること――を説明。政府の「新成長戦略」にある総合特区制度もできる限り活用したいとしたうえで、規制緩和が非常に重要であると指摘した。

法人税減税については、「法人税率の引き下げは、日本企業がイコールフッティングで競争できる環境を整えるためである。それにより、国内投資が増え、雇用も生まれ、日本経済の成長につながるという良い循環が生まれる」との見方を示し、課税ベースの拡大による数字合わせに固執するようでは意味がない、と語った。

米韓FTAについて米倉会長は、日本企業は円高で厳しい状況にあるうえに、韓国にはEUとのFTA交渉においても後れを取っている、と指摘。また、米韓FTAの追加交渉の合意によって、日本企業が国際競争上ますます不利になるとの懸念を示し、「TPPを含むFTA/EPAの交渉に一刻も早く参加していくべきである」と述べた。

COP16(気候変動枠組条約第16回締約国会議)については、京都議定書の延長に反対を表明したうえで、米国や中国など主要排出国が参加し、実効性、公平性ある国際枠組みの構築が不可欠であるとの認識を示した。さらに、世界最高水準の技術とCO2削減実績を誇る日本の産業界は、その技術に磨きをかけてさらなるCO2の削減に努めていくと語った。

【社会広報本部】
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